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金融資本主義を過信した「戦後世代」、疑問を抱く「ミレニアル世代」

出雲充(株式会社ユーグレナ社長)

2021年02月28日 公開 2022年12月19日 更新

 

過半数は不連続変化を起こす「臨界点」

では、こうした価値観の変化は今後どのような流れとなっていくのでしょうか。くり返しになりますが、2025年に大変化が起きると、私は予想しています。

2025年は、ミレニアル世代がいよいよ生産年齢人口の過半数を超えるからです。民主主義社会においては、この「過半数」が非常に重要になります。

わかりやすいのは選挙です。選挙では投票数の過半数を獲得した人が勝ち、ポストを得ます。

アメリカの大統領選挙では、州ごとに獲得した代議員の数を加算して、過半数を獲得した候補者が大統領になり、政権を握ります。上院や下院も、過半数を獲得した政党が掲げていた政策を実行に移すことができます。

ただ、過半数が重要になるのは選挙だけではありません。生命科学やエコシステムなどにおいても、過半数と同様の重要なポイントがあります。物理ではそれを「臨界点」、数学なら「偏極」と言いますが、あるところで激変するポイントがあるのです。

2025年にミレニアル世代が過半数になると、一気に社会の価値観が変わり、これまでの常識がことごとく覆されることになるでしょう。

スウェーデンの若き環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんが気候変動のリスクについて、「このままでは間に合わなくなる」という強い危機意識からCO2の大幅削減などを世界に向けて訴えています。

その考えに私も賛同しますが、もし私が彼女に直接何かを伝えることができるのなら、こう言いたい。

「2025年には価値観が大転換して気候変動の問題も解決に向かいますよ」

楽観的すぎると言われてしまうかもしれませんが、私は、ミレニアル世代が過半数となり、メインプレイヤーになったら、世界中の科学者や世界中の企業、世界中のNGOやNPO、世界中の人たちが、一気に力を合わせて気候変動の問題の解決に向かい、何年かかるかはわかりませんが、必ず解決すると確信しています。

私の考えが楽観的すぎたかどうかは、2025年に自ずとわかるでしょう。

 

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