カズ語録…僕はこれを若い人に伝えたいと思う
2012年03月03日 公開 2022年12月27日 更新
いいことばかりじゃなかった。でも、大事なのはそこで努力をやめないこと――。
Jリーグ現役最年長選手として、いまなお多くの人々を魅了し続ける日本サッカー界のパイオニア、「キングカズ」こと三浦知良氏。15歳で単身ブラジルに渡り、現在に至るまでの波瀾万丈のサッカー人生はどのようなものだったのでしょうか。
「今の自分が最高だよ。後悔もしない」
「苦しまなければ、よいことは絶対に起こらない」
「人生もサッカーも量じゃない。質だ」
「1センチでもいいから前に出る」
「厳しさの中で楽しさを表現する」
「戻りたい過去はありません。過去は過去ですから」
常に戦い続ける男の言葉に強く生きるヒントが隠されています。
※本稿は、著『カズ語録 不屈の魂が身につく218の言葉』(PHP文庫)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
東日本大震災復興支援チャリティーマッチがんばろうニッポン!
この本は、1982年にブラジルに渡る前から現在にいたるまで、30年以上にわたる僕のサッカー人生で発言してきた言葉をまとめたものです。
きっかけは、2011年3月29日、東日本大震災復興支援チャリティーマッチがんばろうニッポン! で決めたゴールだった。
僕はサッカー選手として、ゴールの持つ重みを感じてきた。いろんなゴールを決めてきたけど、チャリティーマッチのあのゴールで、自分のあげる1点がどれだけの意味を持つかということを、本当に改めて思い知ったんだ。
サッカーはゴールだけじゃなく、すべてが大事だ。それでも、1本のゴールがみんなの心に刻まれるんだということを、すごく教えられました。
「カズさんのゴールとメッセージに励まされた」というたくさんの声が寄せられた。そこに、僕の言葉を集めた「日めくり」を出しませんかというオファーがあって、『KAZU魂のメッセージ 底力』 (PHP研究所)が出た。うれしいことに、「もっと多くのメッセージを読みたい」という声がまたたくさん届きました。
僕の言葉を集めた『蹴音』(ぴあ)という本が出ている。それに最近の発言を加え、新たな形で文庫化しませんか、という話になった。
僕は自分の経験とか自分に起こっていること、その時の感情とかを、そのまま言葉にするタイプだ。インタビュー前に資料をもらうこともあるが、勉強嫌いなので、あまり読まなかったりする(笑)。ズバッと聞かれ、パッとひらめいて、自分の言葉が自然に出てくる感じかな。
そういう言葉があんまり重くなり、影響力を持ちすぎるのは申しわけないし、一つひとつの言葉に責任を感じる。だいたい僕は、人に教えるとかいうことを、ほとんどしないんです。一方で、言葉が本になると「結構いいこと言ってるじゃん」と、自分の言葉に自分で酔ったりするんですけどね(笑)。
でも、僕の言葉で「励まされました」「救われました」と言われるのは素直にうれしい。僕の言葉に嘘はないし、自分が本当に経験してきたことだけを言ってますから。
僕にその経験をさせてくれるのは、ファンのみなさん、読者のみなさん。だから僕は、みなさんから励まされて成長してると思っています。
そんな自分の言葉が、逆に多くの人の励みになるならと、発刊を決めた。言葉も改めて自分自身で選び直しました。