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「女性の多い人気店は苦手...」いま“美容室のサブスク”が男性にウケる納得の理由

吉澤恵理(医療ジャーナリスト)

2022年06月10日 公開 2024年12月16日 更新

「女性の多い人気店は苦手...」いま“美容室のサブスク”が男性にウケる納得の理由


株式会社『EN』代表取締役 大谷優太氏

長引くコロナ禍により消費者の動向は大きく変化している。そんな中、増えているのが「サブスクリプション」である。エンターテイメント、ファッション、家電、車など様々な分野にサブスクが広がる今、渋谷にある男性専用美容室『EN』がサブスクを取り入れ話題になっている。美容室のサブスクとは利用者にとってどういったメリットがあるのかなどを株式会社『EN』代表取締役、美容師の大谷優太氏に話を聞いた。

 

コロナが追い風となり順調なオープン

大谷氏が運営する美容室『EN』は男性専用であり、美容室だけでなく、理容室のすべてのメニューと脱毛の施術を受けることができるトータルメンズビューティーサロンである。

20歳で美容師となった大谷氏は、表参道の人気美容室で6年間、修行した。修行時代から感じていたことが現在へ繋がっている。

「女性客や女性美容師が多いおしゃれな美容室へ行くことはハードルが高いと感じる男性も少なくありません、修行時代から「男性が通いやすい美容室」のニーズがあると考えていました」

その思いを実現するために美容室『EN』をオープンした。しかし、『EN』のオープンに向け、準備を進める中、新型コロナウイルスの感染が拡大し、周囲からは心配の声が上がった。

コロナ禍に多くの店が客足が減り、飲食店などは一斉に営業を自粛した 2020年には、渋谷でも街ゆく人の数が大幅に減少した。そんな中でのオープンに訪れる客は多くはないと誰もが予想していたが・・・

「僕自身も不安がなかったと言ったら嘘になります。しかし、その不安とは裏腹に多くのお客様に足を運んでいただき、好調な滑り出しとなりました。

コロナ禍に増えたリモートワークでPCの画面に映し出される自分の顔を改めて見て、外見を整える意識に目覚めたというお客さまが多く、『EN』にとってはコロナは追い風となりました」

 

「カットと脱毛のサブスクリプション」が男性のニーズを捉える

『EN』が提供するサブスクは、定額で『カット通い放題』と『カットと脱毛』のプランがある。

「髪型によっては、1ヶ月に2度以上の微調整を好む男性も多く、6600円〜の定額でカット通い放題のプランは非常に好評です」

また、脱毛サロンも併設しており、サブスクで受けることができる脱毛の施術は、一般的な脱毛サロンと比べると安価といえる。

「月1回のカットと好きな1部位の脱毛で7700円でご利用いただけます。決まった日時に来店したいというお客様も多く、同時予約できる回数によって料金が異なります」

優先的に予約を行える回数が増えるほど、料金が上がる仕組みとなっている。男性の場合、仕事などの都合で定期的に利用したいという客が多い傾向にあり、このシステムが好評だという。さらにこの料金で脱毛の施術を受けることもできるというから驚きである。

「最近では、足や腕などの脱毛は、男性の間でも一般的になっていますが、男性脱毛サロンは、男性にとってまだまだハードルが高いのが現状です。

『EN』では、ヘアカットにいらしたお客様が脱毛もできることを知り、『それなら受けてみようかな』というお客様が多くいらっしゃいます。サブスクで脱毛は、月2回まで受けていただくことができ、非常にリーズナブルです」

美容室のサブスクで髭などの脱毛を行い、その後、併設の脱毛サロンで本格的な脱毛を始める男性が多いという。勧誘などを行うわけではなく、もともと脱毛に興味があった男性にとって、サブスクが脱毛を始めるきっかけになっていると大谷氏は分析する。

また、男性専用美容室という空間は、男性にとってリラックスできる場所になるという。

「スタッフもすべて男性なので気兼ねなく、どんなテーマでも会話できるという点が、選ばれる大きな理由です。現在の社会の流れでいうとコンプライアンスが重視され、学生時代の部活のようなノリで話すことは、女性がいる場所では皆さん非常に気を遣っています。

しかし、『EN』では気兼ねなく男同士の話ができるので楽しく過ごせるとおっしゃって下さり、私もスタッフも非常に嬉しく感じています」

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半年でサブスク利用者は500人に

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