世界の国々にはさまざまなグループがある
世界の国々は、軍事面で協力するグループや政治・経済面で協力するグループなど目的に応じてさまざまなグループをつくっています。
世界平和の実現をおもな目的とするグループの代表格は、世界の193カ国が加盟している、「国際連合(国連)」です。
軍事的なグループもあります。その代表格は、民主主義国家である米英が中心になって生まれたNATO(北大西洋条約機構)です。また、NATO非加盟国のなかでもアメリカにとって戦略的に重要な13カ国が同盟を結ぶMNNA(非NATO主要国同盟)もあります。
なお、冷戦時代には、NATOの対抗勢力として社会主義国・ソ連を中心にしたワルシャワ条約機構がありましたが、ソ連崩壊で消滅しています。
政治・経済面で協力するグループでは、日米英など先進7カ国が参加するG7(先進国首脳会議)が有名です(かつてはロシアも含めてG8でしたが、2021年2月現在、ロシアは参加停止中)。EU(欧州連合)やASEAN(東南アジア諸国連合)などの地域連合もあります。
世界の国々は、政治的には対立しても経済面では協力したり、経済的に協力しているのに軍事的には協力しないなど、それぞれの事情を踏まえて複雑に絡み合うように協力関係を結んでいます。
日本は世界のどんなグループに属しているの?
日本にとって最も重要なのは、1960年に発効した日米安全保障条約による日米同盟です。戦争放棄をした日本が他国から攻撃されたときはアメリカが日本を防衛する義務を負い、日本はアメリカに日本国内に基地を置くことを認めています。
このほかにアメリカ、オーストラリア、インドとの4カ国とは「QUAD(日米豪印戦略対話)」で外交・安全保障の協力関係にあります。
経済面では、2018年に日本が中心となってCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)と呼ばれる貿易協定を結んでいます。これにはアメリカは加盟していません。
唯一の同盟関係を結ぶ日本とアメリカですが、すべての面で同じグループに加盟しているとはかぎりません。
世界にある日本が属さないグループを知ろう
日本は世界中のすべてのグループに加盟しているわけではありません。たとえば、ヨーロッパの国々が加盟するEU(欧州連合)には、当然のことながら地理的に離れた日本は加盟していません。
また、かつて社会主義であったロシア、そして現在も建前は社会主義である中国や北朝鮮などの国と、政治体制が異なる日米などの資本主義の国々が同じグループになることは多くありません。
たとえば、中国・ロシアを中心に8カ国が加盟する軍事、政治、経済面などで協力する「上海協力機構(SCO)」、ロシアが主導する経済同盟「ユーラシア経済連合(EAEU)」には日本は加盟していません。
世界の国々はさまざまな思惑によって、同じグループに属したり、属さなかったりしています。