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くらし

ツイッターでつぶやくと「前頭葉の老化」を防げる理由

和田秀樹(精神科医)

2022年08月17日 公開

 

「どうお金を遣うか」考える

日本人は「貯蓄好きな民族」といわれます。お金を貯めるのは「入力」、遣うのは「出力」ですが、知識や情報もため込むだけため込んで「使わない・出さない」でいれば何の役にも立たないように、お金も「貯める」ためではなく「遣う」「出す」ためにあるのです。

知識や情報がありながらそれを上手に使えないのは、表現力が不足しているか、オリジナリティがないからですが、お金も同じ。お金の遣い方には、人それぞれの表現力やオリジナリティが如実に現れてきます。

また、同じお金を遣うなら、浪費や無駄遣いではなく、お金を遣うことを存分に楽しみ、それによって幸せな気分になれるのがベスト。だとすると、何にどのくらいのお金を遣うのか─「お金の遣い方」は結構、真剣かつ奥の深いテーマです。

「どうお金を遣うか」を考えるとき、ここは前頭葉の出番です。

「オトナの贅沢」では「ケチは厳禁」ですが、そうはいってもお財布事情もあります。そのなかで、「何にどのくらい遣い、結果、予算内におさまり、しかも自分が大満足する」遣い方を考えることは、創造力や企画力、計画力が問われる、きわめてクリエイティブな行為なのです。

 

無理に「勉強」しない

カルチャーセンターや大学のエクステンションセンターでは、「生涯、勉強」のようなスローガンを立てて生徒を募集しているところもありますが、いくつになっても「勉強しなくちゃ」「勉強が大事」という考えを持ち続けることが必ずしもいいとは言い切れません。

第1に、若い頃より記憶力が格段に低下しているところに、無理に知識を詰め込もうとしても「いっぱいいっぱい」になってしまい、結果続かなくなることがあります。

第2に、歳をとれば、これまでにすでにいろいろなことをインプットしているのだから、むしろそれらをアウトプットすることにエネルギーを注ぐほうがよい、ということです。

言語学者の外山滋比古氏が、「大人になっても勉強をしたほうがいい」とおっしゃりつつ、「年寄りが図書館に行くと老け込むだけ」というのも、この理由からです。

読んだ先から読んだことを忘れてしまうくらいなら、本やテキストを読む入力主体型の勉強などやめて、その時間を、それまで得てきた知識や情報を駆使して何か新しいことを提唱したり、日記やブログなどに書き出す、つまりアウトプットすることにあてるのです。

「生涯、勉強」もアウトプットが前提なら、然りといえます。中高年以降の「勉強」はいかに入力の割合を下げるか─そこがポイントになります。

 

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