政治家の給料事情
続いて、政治家の給料、議員報酬についてご紹介します。政治家は年収が高い、というイメージを多くの方がもっていると思いますが、実際は議員によってさまざまです。
まずは国会議員ですが、平均年収は2200万円とさすがに高額です。都道府県会議員については、都道府県によって異なります。地方議会議員の報酬はどの都道府県議員も年収にして1000万円プラスαです。
ちなみに東京都議会議員の年収は、約1370万円。大阪府議会議員の月の報酬は、条例では93万円ですが、現在30%カットで65万1千円(もっとも次の改選時期までだそうですが)。年収は約1210万円。
市区議会議員も市区の大きさや財政事情によって大きく異なります。上は政令市でもある横浜市の1600万円から、下は夕張市の260万円まで、その差はなんと6倍以上となっていますが、全国平均では700万円くらいです。町村議員の平均年収は概ね250万円くらいになります。
【政治家の平均報酬月額】
国会議員:130.1万円
都道府県会議員:81.3万円
政令市議会議員:79.2万円
市議会議員:40.7万円
区議会議員:61.2万円
町村議会議員:21.4万円
(出所:「立法と調査417号(令和元年11月1日) 『地方議会議員のなり手不足の現状と対策』」(参議院)をもとに作成)
想像していたものより高かった議員報酬もあれば、想像以上に少ない、と思われた議員報酬もあるのではありませんか。
*政令指定都市(指定都市)
人口50万以上の市のうち政令で指定された市。多くの分野の行政サービスの権限が都道府県から譲渡され、市が主体となって行政を行なうことができる。令和4年の時点で、全国20の市が政令指定都市として運営されている。
政治家の平均的な活動日数は?
ここで注意すべきは、議員は週休2日制ではない、ということです。形式的な議会活動を計る指標として、平均会期日数があります。
平均会期日数は、通年会期制を採用している議会を除き、国会では通常国会が150日、臨時国会が80日として、230日となります。都道府県議会では平均で約110日。市区議会では約90日、町村議会では約40日です。
なお地方議会議員は、本会議や委員会への出席や視察などの議会活動のほかに、政策課題の調査研究、住民への議会報告、住民意思の把握のための活動など、有権者の代表としての必要な活動も求められていますので、平均会期日数には、視察や議会外の活動日数は含まれていないことに留意する必要があります。
また、専業の地方議会議員の割合(専業率)は、2019年国立国会図書館発行の調査と情報「地方議会議員の報酬・手当等の待遇」によりますと、データが得られた38道府県議会で平均53.3%。最も専業率が高い議会は高知県の97.3%。
最も低い議会は岐阜県の17.4%で地域によって大きく異なっています。市町村議会の専業率の平均は、市議会では43.2%、町村議会では21.9%でした。
政治家は兼業OK! 誰にでもチャンスあり
ここまで議員報酬、会期日数(勤務日数)、専業率について述べてきましたが、お伝えしたかったのは、ほとんどの政治家が兼業可能だということです。
国会議員が政府側の役職(大臣・副大臣・政務官)に就いた時には兼業禁止となりますが。地方議員となると議会の会期外の時間を活用し、副業で生計を立てることも十分可能です。
当たり前のことですが、政治家になるためには、選挙で当選することが必須であり、これを突破しなければなりません。大変なことですが、お金もコネも持った二世政治家がいる一方で、何の後ろ盾もない政治家がいるように、当選チャンスは誰にでもあるのです。
政治家になるためには、日本国籍を持ち、衆議院と地方自治体の議員になるには25歳以上であること、参議院議員になるには30歳以上であることで、選挙に立候補できます。立候補に、特別な資格や学歴は必要ではありません。
国や各地方の人々の生活に関わる施策を議論し、自分の考えもしっかりと主張ができて、国民、地域の住民の声を聞くことが求められるのです。
自分がどういう政治家を目指しているのか、どんな考えを持ち政治に取り組んでいくのか、より多くの人に理解してもらえるように話す力が必要になります。
国や地域を良くしたいという想いを持ち、リーダーシップがある方にとっては大変やりがいのある仕事であると思います。