「要介護認定」の調査で、家族が注意すべきこととは?
2024年04月25日 公開 2024年12月16日 更新
高齢で歩行や食事を一人で行えなくなったとき、要介護認定を受けることで公的な介護サービスを受けることが可能になります。本稿では要介護認定の仕組みと注意点について、大迫知信さんが自身の体験、そして介護のプロからのアドバイスを紹介します。
※本稿は、『PHPくらしラク~る♪』2024年4月号より、一部を抜粋編集したものです。
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おばあ:松原文子(89歳)
1934年生まれ。大工の棟梁の夫と若い衆、子や孫に料理を作り続けてきた。近年パーキンソン病を発症し、孫の手助けが必要に。料理や介護に奮闘する孫に感謝しつつも、感想は率直で手厳しい。
孫:大迫知信(39歳)
脱サラ後、おばあが作るちょっと変わった料理に支えられ、念願だった物書きに転身。著書『おばあめし』(清流出版)を出版。おばあが台所に立てなくなってからは、自らが作る"まごめし"を出している。
・ブログ「おばあめし」 https://obaameshi.com/
・Instagram https://www.instagram.com/obaameshi/
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介護の第一歩! 要介護認定の仕組みと注意点
【介護のプロに聞いてみた】
――要介護認定の調査に、おばあが正直に答えてくれません...。
立ち上がるのもつらいのにお茶を用意したり、できないことでも「できる」と言ったり、調査員がうかがうとご本人が"頑張る"ことがよくあります。ですから調査員は、ご本人の普段の様子をご家族にもお聞きするんです。さらに主治医の意見書も併せて、必要な介護の度合い"要介護度"が決まります。
――要介護度の仕組みを教えてください。
軽いほうから要支援1~2、その上に要介護1~5の全部で7段階あります。一番重い要介護5は、自分で寝返りを打つのも難しい状態です。重くなるほど介護保険が支給される限度額が上がり、より多くの介護サービスを1割から3割の負担で利用できます。
介護サービスは大きく分けて2種類あり、看護師や訪問介護員などが自宅にうかがう"居宅サービス"、介護を受ける人が施設に通うか入所して受ける"施設サービス"があります。さらにいくつも種類があるので、何をどのくらいの頻度で利用するのか、その人に合ったケアプラン(介護サービス計画書)に沿ってサービスを受けます。
ケアプランはケアマネジャーという専門職が作成し、定期的に訪問してサポートしてくれます。まずは大迫さんのように役所に相談するのがいいですね。
――ケアマネジャーも紹介してもらえましたし、おばあのサポートやっていきます!
協力:一由麻里
おばあと孫が暮らす大阪・四條畷市で90年続く福祉の会社、畷ケアサービス(ちよの里)を営む3代目。介護の問題に直面するおばあの孫の相談に乗っている。
マンガ:いしづかちなつ
京都芸術大学マンガ学科卒業。認知症をわずらった祖父の介護にあたった6年間をマンガにした同大学の卒業制作『ころがる毎日』で優秀賞を受賞。