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「ダメ元ですが...」は逆に印象を損ねる? 相手の負担にならない頼み方

清水克彦(政治・教育ジャーナリスト/大妻女子大学非常勤講師)

2022年11月24日 公開

 

面倒なことをお願いするには...

お願いごとの中には、面倒なこともあります。

「一度、引き受けた仕事を延期したい」
「一時的にお金を借りたい」
「何かの仲介をお願いしたい」

このように、相手に直接お願いしたいこともあれば、相手に仲介役になってもらうようなお願いごともあります。

私の場合、「いったんは引き受けたチーフの役目を、やはり辞退したい」というようなときや、スケジュールがびっしりの多忙な著名人に番組に出演してもらうため、第三者を介して急ぎ連絡を取ってもらうケースなどになります。

皆さんで言えば、他社との契約を結んでいる企業に、第三者を介して入り込もうとしたり、金額が大きい商談をまとめるために、誰かに仲立ちをお願いしたりするケースなどがこれに当たるでしょう。

お願いをする相手にとっても容易とは思えないことを依頼する場合は、角を立てず、相手を「じゃあお世話をするか...」という気にさせる言い回しが必要になります。

A「どうぞよろしくお願いします」
B「なにとぞよろしくお願いします」
C「身勝手なお願いで恐縮ですが、なにとぞよろしくお願いします」

実際に誰かからお願いごとをされたとき、A~Cの中で「できるだけやってみるか」という気になるのはCではないでしょうか。

やむにやまれずお願いをする場合は、「よろしくお願いします」という通常の言葉の前に、切羽詰まった感を出すフレーズを付け加えます。

【少し面倒なお願いをするときの表現】
・「身勝手なお願いであることは承知しておりますが...」
・「お願いするのは大変忍びないのですが...」
・「無理を承知でのお願いですが...」
・「なにとぞ、こちらの事情をお汲み取りいただきまして...」

このようなフレーズを「よろしくお願いします」の前につけるといいでしょう。ただ、相談された側にプレッシャーになるような表現は避けるべきです。

【面倒なお願いを重圧に感じさせない表現】
・「ほかに相談できる方もいませんので、お願いしたいのですが、お時間があるときで結構です」
・「このような根回しは、〇〇さんしかできないと思いましたのでお話ししたのですが、何かのついでで結構です」
・「無理を承知でお願いしたことですので、お気になさらないでください」

「時間があるときでいい」や「気になさらないで」と告げることで、相手の心理的な負担を緩和できます。また、お願いをされた相手があなたの期待に応えられなかったときも気まずくなりません。

ただ、ここで注意したいのが、「ダメ元でお願いするのですが...」という表現です。これは「うまくいかなくて当然」という前提に立った言葉です。

私などは、「ダメ元ですから」などと言われると、「『うまくいけば儲けもの』という程度に考えているのだな」と感じ、「お世話をしてあげよう」という気持ちが半分失せてしまいます。

 

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