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やる気がないわけじゃない...「自分で考えない若手社員」の本音

平賀充記(ツナグ働き方研究所所長)

2022年05月07日 公開 2024年09月12日 更新

やる気がないわけじゃない...「自分で考えない若手社員」の本音

昨今、働き方や仕事への価値観は従来のものから大きく変わりつつあります。令和時代の若手社員に、時にはイライラ・モヤモヤすることも...。合理性や効率の良さばかり求める部下と、ストレスなく仕事をするにはどうしたらいいのでしょうか。若手社員のホンネを交えながら解説します。

※本稿は、『イライラ・モヤモヤする 今どきの若手社員のトリセツ』(PHP研究所)より内容を一部抜粋・編集したものです。

 

Case1.なぜトライしない? 言われたことしかやらない若手

【オトナのイラモヤ】
お願いした報告書が上がってきた。「まとめ」のページが空白だ。確かに「『まとめ』はこっちがやるからいいよ」とは言った。まだ今回の報告書の総括を任せるのは早いから。でも「一回、トライしてみたので見てもらえますか」とか、そういう発想あってほしいんだけどなぁ……。

【若手社員のホンネ】
いやいや、言われたことしかって……。指示されたことを普通にやって納品して、それでイラっとされるって、ほんと意味分かんないんですけど。だったら、報告書をつくる業務をオーダーする時点で「『まとめ』も書いてみて」って言ってくれればいいのに。それだったら、こっちだって書いてみますよ。

ホント、残念なくらいに、言われたことしかやらない。

若手社員に対するこうした声は、オトナ世代からほんとによく聞かれる嘆き声です。

しかし一方では、若者の脳内に渦巻く「言われたことをやったのに、なぜか怒られた」という言葉を目の当たりにすると、それはそれで若者の言い分のほうが合理的にも感じます。でも釈然としないイラモヤは消えません。

なぜ我々オトナは、言ったこと以上のことをやってほしいのか。この気持ちは、これまで培ってきたオトナの仕事習慣に起因しています。

自分たちが若手だったときは、言われたこと以上の仕事を自分からやってみることで、評価されてきた。言われたこと以上のことをなんとか返していく。その繰り返しが「できるヤツ」という信頼につながる。評価とは、そうやって勝ち取っていくもんだ。こういう価値観が根っこにあるから、下の世代にも、つい期待してしまうんですよね。

だから、言われたことをやるのは最低限の納品くらいの意識でしょう。

期待に応えるのは当たり前。というか、もっと言うと期待を超えていくのだ──。こんな仕事の仕方を望んでいるのです。それが、本人のためにもなると知っているからです。

しかし、そうした意味合いについて、きちんと伝えながら仕事を振っているオトナって、どのくらいいるんでしょうか。心の中で思っていることはグッドだとしても、それだけでは、残念ながら今どきの若手には伝わりません。

言われたことしかやらない。

このイラモヤにこそ、本書で繰り返しお伝えしている「若者視点にたって、若者のためになる合理的な伝え方」が役に立つはずです。言わずもがなですが、ヤル気や本気度を問うようなコミュニケーションは、まったくもって逆効果です。

若者視点のメリットとは、「評価されること」や「成長できること」だけではありません。もっと彼らにとって身近に感じるメリットがあります。

それは「仕事のやりやすさ」。今どきの若手社員は、過度に口出しされることなく自由裁量をもって働けることを強く望んでいます。そこに訴えかけるのが、一番効き目があると思います。

 

<解決のヒント>若手目線でメリットを伝える

「若者視点にたって、若者のためになる合理的な伝え方」。それは、若手が享受できるメリットを、いかに若手目線で翻訳できるか。

言われたこと以上のちょっとした気遣い→仕事ができるという評価→ある程度任せても大丈夫という信用→進捗確認やマイクロマネジメントが減る→結果的に、自分のペースで仕事ができて仕事がやりやすくなる。

こんな感じの「風が吹けば桶屋が儲かる」的な流れで語ってみてください。

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<解決のヒント>まずは歩み寄り。お互いに譲歩する

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