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喫煙者は早死になのか? 60代で「続けて良いこと・やめるべきこと」

和田秀樹(精神科医)

2023年12月05日 公開 2024年12月16日 更新

世間的には体に悪いとされている「コンビニ食」や「喫煙」。健康のためにやめようと思っても中々やめられず、罪悪感を抱いてる方も少なくないのでは? しかし、医師の和田秀樹さんによれば「食べたい物は食べる」「吸いたければ吸う」ことが、かえって人生を豊かにすると語ります。

※本稿は、和田秀樹著『60歳からは、「これ」しかやらない』(PHP研究所)より、一部を抜粋・編集したものです。

 

「余る害」より「足りない害」に注意

60歳からの食事と言えば、「食べすぎに注意」「糖質は血糖値が上がるから控えよう」「塩分も高血圧になるから控えよう」など、減らすことにばかり注意が向けられがちです。そのルールにいちいち従っていると、食事が味気なくなりませんか?

味気ないだけではなく、危険でもあります。人間の体は、歳を取れば取るほど、糖質や脂質が「余る害」よりも、「足りない害」のほうが大きくなります。つまり、栄養不足の害が生じやすいのです。

栄養が足りないと筋肉が減り、骨がもろくなって、骨折のリスクが高くなります。肌つやも悪くなって美容にも悪影響ですし、元気と活力が失われて老化がさらに速まります。ですから、医師のすすめや世の健康常識にとらわれず、食べたいものを食べましょう。

「コレステロール値が高くなるから肉を減らせ」という言い付けにも、従う必要はありません。良質なたんぱく質を摂ると「幸せホルモン」のセロトニンが増えますし、脂肪も細胞をつくるために不可欠な栄養素ですから、控えるとかえって若々しさがなくなります。

 

コンビニ食のほうが多くの品目数を食べられる

好きなものを食べればいいとは言っても、同じものを毎日食べるのはよくありません。足りない栄養素をつくらないためには、食べる品目の数を増やすことが大事です。

「家でご飯をつくって食べる」という一見健康的な習慣は、品目数を増やすうえでは、少々難があるでしょう。

料理が好きな方なら、バラエティに富んだ食材を毎日取り揃えることも楽しめるでしょうが、「献立を考えたり調理したりするのは面倒だ」と思う方なら、1日3~5品目くらいで済ませてしまうことも多いでしょう。ときには「納豆と白米だけ」「卵かけごはんだけ」といった日も出てくるかもしれません。

それなら、コンビニで、幕の内弁当のような、品目数の多いお弁当を買ったほうが、はるかに健康的です。

コンビニ食というと「添加物が心配」と言う方がいますが、添加物の害など、たかが知れています。発がん性物質でさえ含まれる量はごくごく微量で、運が悪かったとしても、がんの発症に至るまでに少なくとも10年以上は要します。はるか先のがんよりも、今の「おいしい」のほうが、はるかに価値があるのではないでしょうか。

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ラーメンは意外に健康的

著者紹介

和田秀樹(わだ・ひでき)

精神科医

1960年、大阪市生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、立命館大学生命科学部特任教授、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック(アンチエイジングとエグゼクティブカウンセリングに特化したクリニック)院長。著書に、『医学部にとにかく受かるための「要領」がわかる本』(PHP研究所)、『老いの品格』『頭がいい人、悪い人の健康法』(以上、PHP新書)、『50歳からの「脳のトリセツ」』(PHPビジネス新書)、『感情的にならない本』『[新版]「がまん」するから老化する』(以上、PHP文庫)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『自分は自分 人は人』(知的生きかた文庫)など多数。

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