1. PHPオンライン
  2. 生き方
  3. BTS・RMも読んだ、疲れた心を溶かす言葉「嫉妬、悲しみ、どんな感情も大切に...」

生き方

BTS・RMも読んだ、疲れた心を溶かす言葉「嫉妬、悲しみ、どんな感情も大切に...」

ソン・ミファ(画家・エッセイスト)、桑畑優香(翻訳)

2023年12月28日 公開

一番近く、また一番長く付き合っていくのが"自分"という存在ですが、近いからこそ分からなくて悩んだり、思い通りにいかずに自己嫌悪に陥ってしまうことも。

そんな時は、少しだけ自分を遠くから見てみると、思いもよらないことに気づくかも。

K-POPスターのジェジュンやRMも読んだ『あなたを応援する誰か』より、自分を抱きしめてあげたくなる言葉を紹介します。

※本稿はソン・ミファ著、桑畑優香訳『あなたを応援する誰か』(&books/辰巳出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

感情取扱いマニュアル 

あるネイティブ・アメリカンの長老が孫に、「心の中で戦っているオオカミ」の話をした。

「坊や、わしらの心の中では、いつも2匹のオオカミが戦っているんだ。1匹は悪いオオカミで、そいつは、怒り、嫉妬、悲しみ、貪欲、傲慢、罪悪感、劣等感、うぬぼれ、優越感、それに利己心の象徴だ。

もう1匹は良いオオカミで、こいつは、喜び、安らぎ、愛、希望、謙虚、平穏、親切の象徴だ」

孫が長老に尋ねた。
「それで、どっちが勝つの?」

長老は静かに答えた。
「おまえがエサをやっているほうのオオカミだよ」
怒り、嫉妬、悲しみ、貪欲、傲慢、罪悪感、劣等感、うぬぼれ、優越感、利己心、そして喜び、安らぎ、愛、希望、謙虚、平穏、親切。

人間の心の中にはありとあらゆる感情が存在し、そのひとつを深く感じるよりもいろいろ、ごちゃ混ぜになっている。

たいしたことないふりをして、何の感情もわかないことも多いけど、ときにはすごく腹が立つこともあるし、悲しくてたまらないこともある。

ガマンできないほど感情がこみあげてしまうのは、ふだんぐっとこらえていたものがあふれ出すから。

そんなときは、劣等感にさいなまれたり、優越感がこみあげて、誰かにマウントを取ったり。

すごくうれしくなって、みんなにとことん親切にしてみたり。

怒り、嫉妬、悲しみ、どんな感情も大切にしたい。

嫉妬は競争心を呼び起こし、情熱というポジティブな気持ちも与えてくれるし、罪悪感は過ちを反省させてくれるから。

腹を立てても、嫉妬してもかまわない。誰かがわたしのものを奪っても、それは当然のこと。

世の中には私より優れた人もたくさんいる。

すごくうれしくて笑顔になり、他の人に心の底から優しくできる瞬間があるなら、それはとってもすてきなこと。

 

自分を理解する方法

四季にはそれぞれ音と香り、木々の彩りがある。山や海に行くと、自然を肌で感じ、季節の音はよりはっきり聞こえてくる。

その音に耳を傾ければ、いつの間にか自然と一体になったような安らぎを覚える。

人間も同じ。人にはそれぞれ、自分の気持ちを表す表情や方法がある。相手の個性をありのままに受け入れれば、相容れないと思っていた人でもきっと理解できるようになるはず。

これまで他者の声には耳を貸さず、自分の思いだけを主張してきた。

自然の音と同じように他の人の声に耳を傾けてみれば、自分の心の声もきっと聞こえるようになるはず。

 

人生はどんでん返し

生きていれば、失望する瞬間がある。さまざまな状況のせいで、あるいは人間関係のはざまで、ときには自分自身にがっかりすることもある。

失望するのは、期待したことと現実が違うから。そんな気持ちが積み重なると、自分は無力だと自信を失ってしまうのだ。

でも失望には、どんでん返しのチャンスがある。自分の間違いに気づいたり、期待ではなく欲望だったと悟ったりしたその瞬間、失望は希望に変わるのだ。

人生もどんでん返し。

だから生きる価値がある。

 

幸せじゃない瞬間がありましたか

いつもと同じように仕事をして、誰かに会って話してご飯を食べているだけなのに、ふと幸せを感じることがある。

毎日会っている人や、一緒に暮らす家族がそばにいるありがたさを感じる瞬間。

待っていたバスが来たときも、たまたま入った食堂の料理がとてもおいしかったときも。

そんな幸せを感じるたびに「わたしってほんとに単純」と苦笑いしてしまうけど、単純だからこそ、幸せなんだと思うと笑みがこぼれる。

好きなものを手に入れて、望みを叶えたときだけに幸せを感じるのなら、その「幸せ」は、とてもはかない。好きなものはすぐに変わり、さらなる高みを望む欲が出るからだ。

『幸せじゃない瞬間がありましたか』というタイトルのミュージカルを観たことがある。

果たして、幸せじゃない瞬間があっただろうか。

あったとしたら、すべての瞬間にちいさな幸せが存在していたはずなのに、気づかなかっただけ。

日常に満ちあふれる幸せのひとつひとつを見失わないで。本当の幸せに気づけるように。

 

関連記事

アクセスランキングRanking