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生き方

「自分は運がいい」と思えば現実に? セルフイメージを書き換える3つの方法

有川真由美(作家)

2024年10月02日 公開 2024年10月04日 更新

SNSでの友人の幸せそうな投稿に心がざわつく。他人との比較で自信をなくしてしまった経験はありませんか? しかし、あなたの価値は周りの評価ではなく、あなたが決めるものです。他人と比べるのをやめ、自分だけの幸せを見つけるためのヒントを、書籍『やりたいことができる私になる自信貯金』よりお届けします。

※本稿は、有川真由美著『やりたいことができる私になる自信貯金』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

 

世間の評価と、あなたの価値は違っていていい

「SNSを見ると、友だちが活躍していたり、幸せそうだったりして、自信がなくなる」
「成績の悪かった友人が自分よりも収入が多いことがわかり、妬ましく思えてきた」
「就活の面接に落ちて、すっかり自信をなくした。友人も落ちたと聞いて少し安心」

そんなふうに人と比べることで、自信をなくす人は多いもの。他人に嫉妬したり、人の幸せを喜べなかったりする自分のことが嫌になってしまう人もいるかもしれません。しかし、これは習慣の影響が大きいのです。

私たちは幼いころから、兄弟や近所の友だちと比べられたり、学校の成績やかけっこで競わされたり、容姿や家庭の状況によって扱いが違ったり、またはそんな人たちを見てきて「人より劣っていると、大事にされないのだ」という恐れを刷り込まれてきました。

とくにひとりでは生きられない幼少期に、まわりから認めてもらえないことは死活問題。大人たちの言葉に深く傷ついたことも、逆に自信をもったこともあるはずです。

大人になっても、比較から逃れることはできません。就職活動や営業成績、昇進、婚活など、他人から比較、評価される機会はつねにあります。自分自身でも、働く会社のステータスや収入、SNSのフォロワー数、恋人の有無、容姿やスタイルなど、つい「自分のほうが上、下」と比較してしまうことはあるでしょう。

「人の価値はみんな平等」「比較で人を判断してはいけない」などと、きれいごとを言うつもりはありません。比較や評価はつねにあるものとして、そこに惑わされず、「それがなにか?」「自分の価値は自分で決めますから」と開き直ることが重要なのです。

自信のある人というのは、「他人のことはいい。自分の道を歩くのだ」という覚悟をもっています。他人がどうであろうとあまり関心がなく、自分のことに専念しています。

だれだって「評価されたい」という気持ちはあるもの。ですが、「世間の評価=自分の価値」と思ったら、大間違い。自分の理想を追い求めること自体に、深い満足と、自尊感情があるのです。多くの大人たちがそうであるように、人との競争、張り合うことに熱心になっていたら、自分の人生を台無しにしてしまいます。

資本主義の世の中は、人を馬車馬のように働かせたり、消費行動を促したりするために、競争を煽る傾向がありますから、それに振り回されてはいけないのです。他人との比較や競争ほど、幸福度も自信も下げるものはありません。

私も20代、30代は「あの人はすごいなぁ。それに比べて私は......」と落ち込んでばかりいました。「あの人に比べて、私はまだマシ」と安心する卑しい気持ちもありました。

そんなふうに一喜一憂したり、人に認めてもらうために人生の選択をしようとする自分がほとほと嫌になって、一時期、まわりの声をシャットアウトして、「自分はどうしたいのか」「どんなふうに生きたいのか」とひとりで考え続けていました。

そして、30代後半のある日、「海外の子どもたちを取材して、リアルに伝えたい」という、隠れて見えなくなっていた思いが、むくむくとわき上がってきたのです。

友人に話すと、「いいね!」と言ったのは一人だけ。あとは「そんな夢を追いかける年齢じゃないでしょ」「普通に結婚して落ち着いたら?」という否定的な反応でした。でも、他人が自分の人生に責任をとってくれるわけではありません。自分の幸せをいちばん真剣に考えていて、自分の人生に責任をとれるのは、自分しかいないのです。

「これからは好きなように生きよう」と、数カ月後には仕事を辞めて、思い描いていた夢を実現。それが大きな自信になって、本を書くことにつながっています。面白いのは、「認められたい」と必死にもがいているときより、「とにかく、自分を信じてみよう」と、自分のことに専念したほうが、結果的に認められたということです。

他人が認めてくれるかは、他人が決めることで、気にしてもしょうがない。人との比較をして自分を上げたり下げたりするのも無意味。「あの人と自分はなにが違うのか」「あの人ががんばっているから私も」と学びや励みになるなら、意味があるでしょうが......。

嫉妬する相手を「すごいね」と素直に認めると、とらわれることはないはずです。人生に勝つべき競争などないとわかれば、ご機嫌に自分の道を歩いていけるのです。

 

みじめだと思っているかぎり、みじめにしかなりえない

東南アジアの市場で働く子どもたちを取材していて、子どもとは思えない能力に驚くことが多々ありました。

6、7歳の子どもが土産物屋で働き、英語、日本語、フランス語などで呼び込みや、簡単な会話をする。親が病気だと噓をついて、巧みな演技で客から多めにお金をもらう。4、5歳の子どもが幼い兄弟を背中におぶって、慣れた手つきでフライパンをまわし、大量のチャーハンをささっと作る......。

その堂々として自信に満ちた振る舞いに敬意を抱くとともに、複雑な気持ちになったのも事実です。いいか悪いかは別として、まわりから子ども扱いされず、家族を養う大人の役割を求められてきたので、大人並みの能力が身についたのでしょう。

多くの子どもは、大人が自分をどんなふうに扱ったかで、自分の扱い方を決めるといいます。そして大人になると、自分で自分をどんな人として扱うかで、他人からの扱われ方も決まります。

自分はどんな性格で、なにが得意で、なにが苦手で、どんな環境で生きていて、どれくらいの可能性があるのか......といった自分に対するイメージを"セルフイメージ"といいます。自信のある人たちは、間違いなく、高いセルフイメージをもっています。

プロのスポーツ選手が、小学校の卒業文集に「将来は全日本代表の選手になります。それくらいの練習をしているので、きっとできると思います」などと書いていることがあります。もちろん、能力やまわりに認められたことも関係していますが、当時からセルフイメージを高くもつことで、人生もイメージ通りになったのでしょう。

もし、「どうせ自分はレギュラーになれない」「だれからも認めてもらえない」「なにをやってもダメ」などとみじめな自分をイメージしていたら、みじめにしかなりえません。

ほかにもさまざまなセルフイメージがあるでしょう。「なぜか運がいい自分」「人見知りの自分」「人に親切な自分」「怠け癖があるが、やればできる自分」......。これらのイメージは良くも悪くも、過去の経験や思い込みでつくられたもので、不思議なほど、私たちはそのイメージ通りの反応、行動をとっています。「私たちの現実は、セルフイメージ通りになっている」といっても過言ではないのです。

あなたは、自分に対してどんなセルフイメージをもっていますか?「しまった。ダメな自分とか、稼げない自分とか、ネガティブなセルフイメージばかり」という人は、それを書き換える方法もあるので、安心してください。

 

【セルフイメージを書き換える3つの方法】

1.「どんな自分になりたいのか」、理想のイメージをもつこと
2. 理想のイメージに合った、小さな"行動"を増やすこと
3. 人間関係、住む場所、働く場所など環境を変えること

まずは、現状のセルフイメージとは関係なく、自分とじっくり向き合って「こんな自分になりたい」「こんな暮らしがしたい」といった理想の自分を見つけると、セルフイメージも変わってきます。

たとえば「大人の言動でありたい」「シンプルな生活がしたい」などと自覚したら、見る視点や選ぶもの、発言、行動も変わってくるはずです。

つぎに、理想のイメージに合った"行動"を増やしていくこと。うまくいかなくてもくり返すことで、難しいと感じていたことも、少しずつ理想に近づいていきます。

たとえば、「英語でビジネスをする」を目的にして英語学習を続けていれば、「初級会話ができる自分」「相手の話を理解できる自分」とセルフイメージは上がっていくでしょう。

3つ目は、思い切って人間関係や環境を変えること。「朱に交われば赤くなる」というように、人は周囲に影響されるもの。普段行く場所を変えるだけでも効果があります。

私はどうしても叶えたい目的があるとき、自分の理想に近い人たちと交流したり、チャンスを得やすい場所に住まいを変えたりしてきました。すると、まわりに刺激を受けて動きたくなり、自分なりの方法も見えてくるのです。

セルフイメージとは案外いい加減なもので、「私は運がいい」「私は運が悪い」「やればできる」など、どんなイメージを信じるかは自分次第。信じればそうなるのですから、最高のセルフイメージをもてばいいのです。せめて自分だけは自分のことを肯定的にとらえ、とことん信じてみようではありませんか。

 

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