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プレバト!!水彩画の野村重存さんが教える「絵が上達する最短コース」

野村重存(画家)

2026年05月03日 公開


写真:小池彩子

テレビ番組「プレバト!!」(MBS/TBS系)の水彩画コーナーで大人気の絵の先生・野村重存さんは、「絵のセンスや才能がない」と思っている超初心者、さらにその前段階の初心者未満の人でも、「必ず上手な絵を描くことができる!」と語ります。本稿では絵の超初心者・Iさんが、"まずそろえたい3つの道具"と、"絵が上達する最短コース"について教えてもらいました。

※本稿は、野村重存著『野村重存の世界一わかりやすい絵の授業』(PHP研究所)から一部抜粋・編集したものです。

 

3つの道具をそろえよう

野村:実際に絵を描いていく前に、Iさんに3つだけ用意してほしいものがあります。この授業では、あらゆる絵を描くときの基本となる「デッサン」を学んでいきたいと思いますが、そのために最低限必要な道具です。

I:野村先生、デッサンというのは......?

野村:デッサンとは、1色だけで絵を描くことです。絵に色はつけません。目の前のものをリアルに描く練習として、これがいちばん効果的なんです。

I:なるほど。超初心者の私に必要な、絵の基本中の基本ということですね。

野村:その通りです。そこで、まずIさんに用意してほしいのは「えんぴつ」です。文字を書くときに使う、よくあるHBやBの黒えんぴつでOKですよ。

I:えんぴつなら、すぐに用意できます。

野村:2つ目は「消しゴム」です。これも、ごく普通のものでOKですよ。消しゴムは線を消すときはもちろん、絵に明るさやグラデーションを出すときにも使える便利な道具なんです。

I:消しゴムなら、今、持っているので大丈夫です。

野村:そして、最後3つ目は「スケッチブック」です。どんなものでもいいですが、私のおすすめは「マルマン」という会社が販売しているスケッチブックです。下の図のような表紙のスケッチブックを見たことがあるかもしれません。

I:あっ! そのスケッチブックなら見たことがある気がします。

野村:A4やA3サイズなら数百円で買えるし、ドラッグストアで売っていることもあります。私も、このスケッチブックを使って絵を描いているんですよ。

I:野村先生も! ちなみに、ノートの切れはしに描くのはダメですか(笑)?

野村:ダメではありませんが、スケッチブックのほうが格段にモチベーションアップにつながるし、紙質も絵を描くのに最適なものになっています。せっかくなので、この授業ではスケッチブックに描いていきましょう。

I:趣味にしたいと言っておきながら、数百円をケチケチしてしまいました(汗)。

野村:いえいえ、大丈夫です(笑)。

 

上達のいちばんの近道とは?

野村:そういえば、犬や猫などの動物の絵は、Iさんのような初心者には、少し難しい題材なんです。

I:なんで難しいのですか?

野村:実際の姿よりも、「かわいい」とか「目が大きい」といった頭のなかにあるイメージが先行して手に伝わるからです。たとえば、普段から「うちの愛犬は目が大きくてかわいい」と思っていると、目を強調しすぎて、逆にかわいくない絵になる......なんてことがよく起こります。

I:なるほど......。

野村:Iさんは、いきなり難しい題材を選んでしまったので、まずは身近にある、初心者でも描きやすいものからスタートしましょう。

I:わかりました! 身近にある、描きやすいもの......。なんでしょうか?

野村:ずばり「りんご」です!

I:りんご......。それなら、私でも描けそうな気がします。

野村:おっ、その心意気、いいですね! それでは、さっきスーパーでりんごを買ってきたので、さっそく試しに描いてもらえますか?

I:わかりました! サッサッサッ。野村先生、できました!

野村:どれどれ。私もIさんと同じように、りんごを描いてみました。下にIさんと私の絵を並べてみたので、いっしょに見てみましょう。

I:こ、これが同じりんご......。まったくの別物です! 野村先生みたいなリアルなりんごを描くコツを早く教えてください!

野村:Iさん、目が血走っていますよ(笑)。そう、あせらないでください。最初にIさんにやってほしいこと、それは、えんぴつを置くことです!

I:えっ?

野村:そして、今、目の前にあるりんごを、じっくりさわってみましょう。

I:わ、わかりました! とりあえず、さわればいいんですね。さすさすさす......。

野村:どうですか?

I:りんご......ですね(笑)。でも、こんなにじっくりさわったことないかも。結構いびつでゴツゴツしていますね。表面の手ざわりもザラザラで......。

野村:そうなんですよ。実際にさわるとわかりますが、りんごのかたちってまんまるじゃないし、表面もつるつるしていないんです。でも、Iさんのりんごの絵は、まんまるで、つるつるで、一筆書きみたいになっていますよね。

I:本当ですね......。

野村:Iさんの頭のなかにあるりんごのイメージが、そのまま手に伝わったんです。でも実際にさわると、イメージと実物の差に気づきましたよね。

I:はい。イメージとは、かなり違いました。

野村:こんなふうに、身近なものを描くときは、対象物をじっくりさわってみるといいですよ。一見、遠まわりのようですが、これが上達の近道なんです。

I:わかりました! さわれるものの場合は、まずさわってみます。

野村:それと、もう1つ、絵の上達に大切なのが「まねる」ことです。Iさんは漢字が書けますよね。最初、どうやって覚えました?

I:うーん......。小学生のころの漢字ドリルだったと思います。書き順を覚えて、薄く印刷されたお手本の字をまねしてなぞって、そのあと四角の空欄に字を何度も繰り返し書いて練習した記憶がありますね。

野村:そうですよね。実は、漢字が書けるようになる過程と、絵がうまく描けるようになる過程は同じなんです。描き方を覚えて、お手本をまねしてなぞって、何度も練習するのが、結局、上達のいちばんの近道なんです。

I:漢字を覚えるのと同じ......。考えたこともなかったです。

 

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