家族が亡くなり、お墓を用意するとなると、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。墓石代だけでなく、管理費や入檀料が必要になることもあり、選ぶ形式によって金額は大きく異なります。
30年以上にわたり葬儀の現場に携わってきた株式会社ディライト代表・高橋亮さんは、著書『後悔しない葬儀とお墓選び』でお墓にかかる費用を詳しく解説しています。本稿では同書から、お墓の種類ごとの費用感と、見積もりを取る際のポイントをご紹介します。
※本稿は、高橋亮著『後悔しない葬儀とお墓選び』より内容を一部抜粋・編集したものです
お墓にかかる費用
お墓の購入には、主に墓地の永代使用料や墓地の管理費などがかかります。お墓の種類によってかかる費用が異なり、一般墓であれば墓石代や開眼供養のお布施など、樹木葬なら埋葬料や銘板彫刻料などが必要になります。
【永代使用料】
永代使用料とは、墓地を使用する権利を取得するための費用です。墓地の購入は、土地そのものの購入ではなく、使用権の購入になります。そのため、納骨堂や樹木葬、合祀墓でも必要になる経費です。
金額は霊園や寺院、区画の大きさなどによって異なり、数万円から100万円以上と幅があります。
【墓石代】
墓石代には、お墓の石材そのものにかかる石材費、墓石を設置するための工事費、戒名や氏名を彫刻するための彫刻費などが含まれます。一般的には60万円から200万円程度ですが、使用する石の種類やデザインによって大きく変わります。
また、墓石に使用する石材の種類やデザインの選択によっても費用を調整できます。高価な石材や凝ったデザインを避けて、比較的安価でシンプルなものにすれば墓石代を抑えられます。
彫刻費は戒名や名前を墓石に刻むための費用で、刻む文字数や書体によっても金額が変わります。
香炉、水鉢などの装飾品の追加によっても費用が増加します。装飾品には、墓誌や灯籠などがあります。ただし、これらの装飾品は必須ではないため、希望しなければ設置しなくても問題ありません。
【管理費】
お墓を維持するためには、霊園や墓地に毎年支払う管理費も必要です。
管理費は霊園内の清掃や共有施設の維持管理に充てられる費用で、年間数千円から2万円程度が一般的ですが、墓地の広さや管理内容によって異なります。
霊園によっては、数年分をまとめて前払いする場合もあります。
【開眼供養のお布施】
お墓に遺骨を納める際には、お墓に故人の魂を迎え入れる「開眼供養」を行います。菩提寺や近隣のお寺に依頼するのが通常です。その際にはお布施として3万円~10万円程度を支払うのが一般的です。
【その他費用】
寺院が運営する墓地を利用する場合は、そのお寺の檀家になるための入檀料が必要になることがあります。お寺の運営や寺院の修繕などに使われる費用で、10万から30万円程度の支払いが一般的です。
そのほか、お墓の種類により、納骨時に執り行う法要の費用や、故人の戒名を記したプレートへの刻字費用などが別途かかる場合があります。
石材店に見積もりをとる
お墓を購入する際は、石材店や霊園、お寺に相談するのが一般的です。
特に一般墓を建立する場合は、墓地の選定とあわせて石材店も検討する必要があります。石材店への相談は霊園を決める前でも後でも問題ありません。希望に合う霊園を石材店が紹介してくれる場合もあります。
なお、公営墓地であれば基本的に石材店を自由に選べますが、寺院墓地や民間の霊園では、利用できる石材店が指定されていることがあるため、注意が必要です。
石材店では、墓地にかかる永代使用料や年間の管理費などもあわせて見積もりを出してもらうことができます。適正な価格で建墓するためには、複数の石材店から見積もりを取って比較することが重要です。1社だけに依頼すると相場より高額になってしまう可能性があるため注意しましょう。
石材店を選ぶ際は、各社の実績や口コミを確認し、信頼できる業者か見極めます。「お墓の口コミ」などの霊園ポータルサイトなどを活用すると、複数の霊園情報を比較したり相見積もりを依頼したりすることも可能です。
また、墓石は、石材店の磨きや加工の技術次第で、仕上がりや耐久性が大きく左右されます。費用だけでなく職人の技術力の評判も参考にして石材店を見極めることが大切です。
【関連情報】
『株式会社ディライト』https://delight.co.jp
『葬儀の口コミ』https://soogi.jp
『お墓の口コミ』https://oohaka.jp