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結果を出す人はなぜ「散歩」をするのか 右脳を活性化して発想力を鍛える3つのコツ

枡田智(マインドフルネス指導者・森林療法士)

2025年10月24日 公開

アイデアが浮かばない、頭がうまく働かない。そんな人は、情報収集や仕事に追われ、顕在意識が活性化しすぎているのかもしれません。思考過剰を沈め、感覚的な働きを司る「右脳」を活性化すれば、直感力がアップするといいます。その、誰にでもできて効果的な方法とは?

※本稿は、枡田智著『右脳におまかせ! 見える世界が変わる「5日間レッスン」』(大和出版)より一部抜粋・編集したものです。

 

意識のスペースを空け、感覚を使う

ヒラメキ力を鍛えるために、「散歩」はとても効果的です。実際、散歩中にヒラメキが起こった、という経験をした方も多いのではないでしょうか。
散歩中は、周りを見ながら歩くため、目で見る、音を聞く、空気感を感じる、動きを感じるなど、五感を必ず使います。五感を使うことで、顕在意識にある思考は静まりやすくなります。

散歩は、「顕在意識のスペースを空ける(※意図的な思考で意識を埋めてしまわずに、なるべく思考を減らして、意識を空けておくこと)」「感覚を使う」という、ヒラメキを起こすコツを同時に実行できる方法なのです。
家やオフィスにいると、何もせずのんびり過ごすのは、なかなか難しいものです。
手持ちぶさたになり、「何かしなくては!」と焦り始め、ついスマホを見たり仕事を始めたりして、顕在意識の思考が活性化してしまいます。「顕在意識のスペースを空ける」ことが難しいのです。

一方で、散歩中は、歩くことに集中できます。「散歩」という行為をすでにしているので、「何かしなくては!」と焦ることもなく、堂々と何も考えずに感覚に意識を向けることができます。
それが「意識のスペースを空ける」「感覚を使う」ことにつながるのです。

 

より効果が上がる散歩のポイント

自然のある静かな場所で散歩するのがおすすめです。繁華街などの人混みよりも、公園や川沿いなど、刺激の少ない落ち着いた場所が理想的です。
歩いている間は、五感に意識を向けてみましょう。体の感覚、風や空気の感触、耳に入ってくる音、目に映る風景――そういった感覚をただ感じながら歩きます。
なるべく意図的な思考はせず、自然に浮かんでくる思考も、あまり気にせず放っておきます。
そのようにして10分~20分ほど歩いていると、ヒラメキが生まれやすくなるはずです。

 

自然の力を利用すると、うまい説明が“降ってくる”

私自身が、本の構想や仕事のアイデアを得るときに使っている、とっておきの方法があります。自然の力を使ってヒラメキを受け取る方法です。
私が普段開催している講座のアイデアも、この方法で受け取ったものが多いです。
私の講座の内容は、言語化するのがなかなかに難しく、最初は「これを講座にするのは不可能かもしれない」と思うことが多いのですが、この方法を使うと、うまい説明が"降ってくる"のです。

 

ヒラメキ力がアップする散歩のやり方

1.ノートとペンを持って、自然の多い場所(公園や川辺など)へ出かけます。
2.解決したい課題やテーマをひとつ決めます。たとえば「○○の企画アイデアが欲しい」などです。テーマを立てたら、それ以上はあまり意識的に考えないようにします。
3.五感や体の感覚に意識を向けながら、のんびりと歩きます。
4.しばらく歩いていると、ふとアイデアが浮かんでくる瞬間があります。浮かんだことはノートに書き留めておきましょう。ある程度出きったと感じたら、その日は終了です。

 

分割でアイデアをダウンロードする方法

この方法で、一度に得られるアイデアの量には限りがあります。
特に内容量が多いテーマの場合は、1回ですべてが降りてくることは少なく、何回かに分けて"分割ダウンロード"されるイメージになります。

分割ダンロードの場合、最初のダウンロードですべての答えがわかるわけではありません。何かしらの疑問点が残ります。その残った疑問点(問い)をノートにメモしておきます。

そして後日、その問いをテーマにして再び同じ方法を実践します。すると、続きのアイデアがダウンロードされます。ダウンロードがいったん終わると、次の問いが残ります。その問いに対しても、後日また同じことをします。
それを繰り返していくうちに、答えが出そろってきて、「もう大丈夫」と思えたところで、ダウンロード完了です。

私が普段開催している「森の瞑想講座」も、この方法で作りました。4日間かけて、1時間~2時間ほどの散歩を4回重ね、4回に分けてアイデアがダウンロードされてきました。その内容をノートに書き留め、つなぎ合わせて講座を完成させました。

この方法に、特別なスキルや知識は必要ありません。煮詰まっているとき、なかなかアイデアが出ないとき、あるいはもっと深いレベルで「本当の答え」を探しているときなどに、ぜひ試してみてください。

 

ヒラメキが起こる3つの共通点

ヒラメキや直感は、誰の中にも必ず備わっています。ただ、それをうまく使えていないだけなのです。
ほかにも、ヒラメキを起こしやすくする方法はたくさんあります。

たとえば、お風呂に入る、アロマを焚く、ただぼーっとする、思ったことを人に話してみる、などなど。これらに共通しているのは、次のような点です。

・意識的な思考をいったん休めて、感覚に意識を向けること
・自分の内側にあるものを観察すること
・浮かんできたアイデアや気づきをアウトプットすること

このようなプロセスを通じて、ヒラメキが現れてきます。
世の中にある多くの「ヒラメキ法」や「アイデア発想法」も、突き詰めればこうした基本原理を応用したものです。
ぜひ、自分に合ったやり方を見つけて、楽しみながら取り組んでみてください。

著者紹介

枡田智(ますだ・あきら)

森林療法士・マインドフルネス瞑想指導者

上智大学大学院で物理学と情報工学を学ぶ。修了後、大手メーカーで新規技術の開発に従事し、特許を多数取得。その一方で、長年メンタル不調に悩まされていたが、あるきっかけから、たった3日で不調から脱出。
その後、森林療法を学ぶとともに、アメリカで著名なマインドフルネス瞑想の指導者に師事し、数年間かけて、瞑想の理論、実践、指導方法を修得し、独立。これまで1000名以上に瞑想を指導。
元理系研究者のスキルを活かし、わかりにくい瞑想をクリアに図解・言語化し、「とにかくわかりやすい」「あいまいさがなく明快」「他講座でわからなかったことがすんなりとわかる」と高い評価を受けている。

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