1. PHPオンライン
  2. くらし
  3. 「運のいい人」がよく使う言葉

くらし

「運のいい人」がよく使う言葉

和田裕美(作家、ビジネスコンサルタント)

2024年01月18日 公開 2024年12月16日 更新

言葉は、わたしたちの人生に大きな影響を与えます。運を引き寄せる言葉、遠ざける言葉とは、どういったものなのでしょうか。

※本稿は、『PHPスペシャル』2024年2月号より内容を抜粋・編集したものです。

 

運をよくするには?

「和田さんは強運ですよね」と20代の後半から言われるようになりました。それまでは、「運がいい」なんて誰からも言われたことがなかったのに、ある日から急に「運がいい人」になったのです。

なぜそう言われるようになったのかというと、ちょうどその頃わたしは営業の仕事をしており、アグレッシブなタイプでもないのに、どういうわけか結果がよく、トップクラスの成績で表彰されることが多かったからです。

「なんで、あの人が?」という疑問が生まれたことにより結果的に、「運がいいんだよね」というところに落ち着いたわけなのです。

「実力があった」ではなく「運がよかった」と言われたことを、褒められたとは受け取っていないのですが、結果的に「運がいい人」になれたおかげで、わたしの人生はほんとうに運がよくなっていったのです。

つまり、あえて言い切りますけど、「わたしは運がいい」と思って言葉にしていれば運がよくなり、「わたしは運が悪い」と思って言葉にしているとおのずとそうなるものなのです。

こう言うと、「わたしの人生は恵まれてないのに、運がいいなんて思えない」と言う人もいると思います。けれどそれって、どの基準で考えていますか? 宝くじに当たれば運がいいのか?すてきな人に巡り会えたら運がいいのか? 夢の仕事に就けたら運がいいのか?

自分にとっての「運がいい」という基準によって決めつけていれば、やはり、人生はずっと低迷したままです。今、持っていないものばかりに目がいって、「足りない」という喪失感が、不運を作り出してしまうからです。

もちろん、夢のようないいことがどんどんやってくれば誰だって、「ああ、なんて運がいいんだ」と思えるようになります。だけど大事なことは、今あなたがどんな状態にあっても、「わたしは運が(ちょっとくらいは)いい」と思えることです。それが運をよくするベースになります。

 

「ちいさな幸せ探し」と「よかった探し」を

まずは、あなたが今持っている「運がいい」という基準を一回、手放してみてください。そして、目の前にある「ちいさな幸せ」に目を向けてみる。1日最低5つは、あなたの周辺にある「ちいさな幸せ」をカウントして、運を引き寄せるトレーニングをするのです。

いつも混んでいる接骨院が空いていて、院長がすぐに診てくれた。
花に水をやろうと思ったら、にわか雨が降って手間が省けた。
貸したまま忘れていたお金が、返ってきた。
飼い猫がごろごろと甘えて、膝に乗ってきた。
没になった企画だけど、一人の上司が褒めてくれた。
見上げた空の月が、とてもきれいだった。

などなど。そして、さらには上級編として、一見不運と思ってしまうことを変化させます。

財布を落としたけど、いい人が拾ってくれてよかった。
転んだけど、骨折しなくてよかった。
上司にムカついたけど、同僚が優しく声がけしてくれてよかった。

などなど。わたしはこれを陽転思考の「よかった探し」として多くの人に伝えています。

嫌なことがあっても、まずは「よかった」と言ってから、「なぜ?」と自分に問うてみるというシンプルな方法なのですが、続けてくださっているほぼすべての方が、人生を好転させています。宝くじが当たったわけでも、病気が消えるという奇跡が起こったわけでもないのに、幸せな気分を持てているのです。

こんなふうに「今のわたしは運がいい」というベースを整えたら、ようやく未来を変えていくことができるようになります。

 

「運がいい」と思えたら、口ぐせが変わる

言っておきますが、わたしはずっと自分のことを不運な生まれだと思って生きていました。幼少期は両親が家庭内別居で、家族は崩壊していたし、大好きだった人が友達と結婚する、就職活動では行きたい会社に最終面接で落とされる、など「うまくいかない」ことの連続でした。

でも、人は変われるのです。

私の経験ですが、自分は「運がいい」と思えるようになると、嫌なことがあっても「運のいいわたしに、こんな辛いことが起こるのはおかしい、きっとこれはこれからよくなるための厄払いだったのだ」と、どんどん前向きになれました。

そこからは自分に自信を持てるようになり、挑戦の数が増え、挑戦が増えるからこそ達成する機会も増え、周りに感謝ができるようになった......という具合です。

そうして、いつのまにか自分の口ぐせも変わっていったのです。「わたしなんて......」と言っていたわたしが、今では「わたしは強運なんです」と、あちこちで言えるようになったのです。

 

幸せの循環を生み出すために

人は、心のなかで1日に6万語の言葉を使っているそうです。例えば、あなたは今日、どんな言葉を自分に使いましたか? 車の渋滞にはまって「なんだよ、はやく進めよバカ!」。自分の顔を鏡で見て「ああ、老けたわ、ブッサイク」。上司に嫌味を言われて「うっとうし〜、ほんと最悪」。などかもしれません。

こう思ってしまうのは仕方ないことですが、これでは潜在意識に「バカ、ブッサイク、最悪」が刷り込まれて、それが自分に返ってきてしまいます。ネガティブな言葉を吐いてしまったら消せません。

でも、わたしもとかくよく思っています(笑)。100%プラスの思考なんて、人にはできない。

だからこそ、前述の「よかった探し」で、まずはその事実を切り替える。「無理かも......」と思ったら「やってみないとわからない」に変換。「どうしよう」と焦ったら「どうしたらいい?」と自問。

そうやって言葉を変えていくだけで、自分がちょっとずつ変わっていきます。「あれ、なんか雰囲気が変わった?」と気付けるほど変わります。だからあなたはいつもより早く笑顔になれるし、周囲もその笑顔を見て、あなたをもっと好きになるんです。

目に映るものに感謝できるようになって、あなたにも周囲にも笑顔が増えていく......これってめちゃくちゃ強運だと思いませんか?

 

まずは一歩踏み出してみる

さて、わたしがもっとも運がよかったのは、「実力」を認められず「あれは運」と言われたことです。ほんとうは人が遊んでいる間にも仕事をして、男性にではなく数字に追いかけられた。

20代のがむしゃらにがんばっていたわたしがいたんです。運だけじゃなく、行動をした。そしてそこからはじまった。わたし自身が行動の基準にしているのは、「神さまは最初にドアを開けてくれない」ということです。

だからあなたも、まずは一歩前に進む。そこからは言葉を使って、運がいい自分を作っていけばいいのです。

【和田裕美(わだ・ひろみ)】
株式会社HIROWA代表取締役。京都光華女子大学客員教授。外資系教育会社に入社後、「ファンづくり」という独自の営業スタイルを構築し、日本でトップ、世界142カ国の支社の中で2位の成績を納め、最年少で支社長に就任。その後、独立し、講演や執筆等を行なう。『いざという時に結果を出す本番力』(ポプラ社)など著書多数。

 

関連記事

アクセスランキングRanking