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デキる部下ほど放っておく? 優秀な上司が“やらないこと”4選

前田康二郎(流創株式会社代表取締役)

2026年01月19日 公開

上司になると「部下のために色々教えてあげないと...」と、必要以上に責任感を覚えることがあるかもしれません。一方で、"デキる部下"に対しては、「しない方が良いこともある」と、流創株式会社代表取締役である前田康二郎氏は語ります。

では、優秀な部下に対して「しない方が良いこと」とは、具体的にどういうものなのか――本稿では、前田康二郎氏の著書『デキる上司がデキる部下を潰してしまう。はなぜ起こるのか?』より、放任でもなく、過干渉でもない、「デキる部下と適切な距離感で関係を築くための方法」を紹介します。

※本稿は、前田康二郎著『デキる上司がデキる部下を潰してしまう。はなぜ起こるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

「余計なお世話」をしない

デキる部下が苦手な同僚のタイプ一つに「構ってちゃん」がいます。とにかく全てにおいて自分に注目して欲しい、助けて欲しい、構って欲しい、という同僚を見ると、「ここは家や学校じゃないのだから」「ここはお金を払う場所ではなくお金を貰って仕事をする場所なのだから」と、陰鬱とした気持ちにすらなります。

そのような自立・自律が「デキていない」同僚がいると、上司は「部下は構ってあげないといけないものか」「部下は手取り足取り世話や面倒を見てあげなければならないものか」と思ってしまうのですが、デキる部下にはそのような気遣いは不要です。

デキる部下というのは、「自分のために上司は余計な時間を使わずに、ご自身の仕事に集中して欲しい。そもそも自分が上司の手を煩わせる存在だったらみっともないし、恥ずかしい。だから一生懸命自立・自律して仕事を頑張っているのだ」と思っています。

そのため上司が気を利かせてあれこれ余計なお世話をすると、「構ってちゃん」タイプの部下は喜び、満足するでしょうが、デキる部下は「そんなに自分はまだ上司から見たら頼りなく見えているのか」と思う人も実際に数多くいます。

デキる部下には、デキる上司が一般常識に当てはめてみて「余計なお世話かな」と思ったことは、しなくて問題ありませんし、むしろデキる部下はそれを望んでいます。

 

「私のように」をしない

上司が部下に指導をするときによくやってしまうこととして、「過去の自分」を手本として、部下にもそっくりそのままそうなるように、と指導してしまうことです。

「私が若手社員だった時はその課題はこうやって解決したからそうしなさい」など、つい言いたくなるのはわかりますが、これが度を越していくと、何でもかんでも「私がこうだったから君もこうしなさい」という、「私のようになりなさい」という強要に繋がっていく恐れがあります。

部下の指導は、部下が主人公のはずなのに、上司が主人公になっているということです。部下が成果を出せるか否かは最終的には部下自身の問題ですので、上司が過剰に責任を負う必要もなければ、過干渉する必要もありません。そのため、デキる部下への指導は「部下が主役で、上司は見守り」と意識することが重要です。

部下がどうしたいかを優先させ、その際に「〇〇さんはこういう時どうされますか」「〇〇さんも同じような経験がありましたか」など質問や相談をされたときに初めて、上司はご自身の経験談やアドバイスなどをお話しいただくと、部下の心にも染み入り、そのご経験や意見が参考になると思います。

ただ、「デキていない部下」に関しては、一通り業務ができるようになるまでは「私のようにこうしなさい」と手取り足取り指導が必要なケースもありますので、それに関しては問題ありません。その代わり、業務ができるようになったら「子離れ」のように「部下離れ」をして「私のように......」は控えてください。

 

「夜中や休日に業務連絡」をしない

「忘れてしまいそうだから」と、チャットやメールなどで、夜中や休日に部下に連絡を入れてしまう上司がいますが、デキる部下は「夜中や休日はチャットやメールは開かなくてもいいからね」と言われていても、そのように実際に送られてきていると、「早めに見ておいたほうが翌日や週明け早く対応ができる」と、開いてしまいます。それがデキる部下の性分です。

そのような上司の習慣が根付いてしまうと、デキる部下は心身を休める時間がなくなってしまい、身体が壊れてしまいます。チャットやメールなどのツールは、部下から上司に送られてくる分には上司は何とも思いませんが、上司から部下に送られてくる場合には、「何かあったのかな」と一瞬身構えます。それが夜中や休日に送られてきたとなればなおさらです。

「週明けまで連絡を我慢していると忘れてしまいそうだから送った」と言う上司もいますが、部下は付箋ではありません。もし「忘れてしまいそう」なのだとしたら、自分のスマートフォンのメモ欄やメールボックスの下書き欄などに控えておいて、翌日や週明けの始業後に送るか、直接会って伝えましょう。

 

「上司の夢をむやみに部下に投影」しない

上司と部下との関係性の本を書くと「子育てと同じですね」という感想をいただくことも多くあります。親御さんの中には、「将来の子供のためだから」と、子供をタレント事務所に所属させたり、一流アスリートにしようとスポーツクラブに入れたりする方がいますが、それは「親御さん自身の夢」でもあるのではないでしょうか。

親御さんの応援は大きな力になると思いますが、ただ、もし将来お子さんが結果が出ずに挫折した時は、その状態のお子さんを100%、親御さんが受け入れて欲しいなとは思います。

中には「どうしてできないの」と、子供を責める親御さんがいますが、子供自身が言い出した夢で子供が途中で挫折したのならそれもわかりますが、もし親御さんの夢を子供にさせているのであれば、それは本人発信の夢ではないのですから、うまくいかないのが普通です。責めるくらいなら、子供自身の夢に応援や投資をしたほうが、成功確率は上がっていたのかもしれません。

上司と部下の関係も同じで、デキる部下を持つと上司もつい嬉しくなり、過去の自分が果たせなかったことを部下に託そうと厳しく指導したり、あれこれ口出ししたりする上司がいます。デキる部下ほど、それに応えようとしてしまいがちですが、デキる部下はデキる部下自身が持っている理想の将来像があります。

デキる部下を育てる場合は、まずデキる部下の夢や目標を聞いて、そこにもし自分の夢や理想が被る、または延長線上にあるのであれば、それは部下に伝えて一緒に同じ目標に向かって頑張るのもいいのではないかと思います。

著者紹介

前田康二郎(まえだ・こうじろう)

流創株式会社代表取締役

流創株式会社代表取締役。数社の民間企業にて経理業務を中心とした管理業務全般に従事し、2008年に経理部長としてIPOを達成。その後中国に駐在。現地法人の設立、内部統制業務などに携わった後、2011年に独立。リーマンショック後、経営難に陥っていた企業の経営再建案件等に従事。経営者や従業員へ、経理的視点から見た、黒字化に必須な「経理的マインドセット」の指導を実施し、黒字化の実現や自走できる組織へと改善させている。現在はベンチャー企業、IPO準備企業等の顧問、社外役員等も兼務している。

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