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「雑談が苦手」を克服するには? 会話が上手い人がやっている1つの習慣

ひきたよしあき(コミュニケーションコンサルタント)

2026年04月14日 公開

家族や親しい友人とは気軽に話せるのに、外ではうまく話せない――そんな悩みを抱える人は少なくありません。その原因は「相手との共通した話題がない」ことではなく、「自信のなさ」にあると、コミュニケーションコンサルタントのひきたよしあきさんは語ります。

では、どうすれば雑談のハードルを下げることができるのか。本稿では、自然に"会話脳"を鍛えられるコツを紹介します。

※本稿は、ひきたよしあき著『「何を話していいかわからない」がなくなる 雑談のコツ』(アスコム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

雑談が苦手な人が見落としがちなこと

私は小・中学校でも授業を持っているのですが、保護者から相談が来ることが頻繁にあります。「うちの子は、家ではよくしゃべるのに、学校や外に出ると全然しゃべれないんですが、どうしたらいいでしょうか?」

子どもも、雑談できないことに悩んでいます。家族や友だちなど、親しい人とは話せるのに、それ以外の人(学校の人など)とは話すのが苦手。大人も、子どもも同じです。自分と相手との共通点がわからない、心の距離がある、そんな相手を前にすると、何を話してよいのかわからず、沈黙してしまう。こういうことは、めずらしいことではありません。

「内弁慶の外地蔵」ということわざがあります。「『うち』では源義経の家来・弁慶のように威張っているが、『そと』ではお地蔵さんのようにおとなしい」という意味です。雑談が苦手な人は、この「外地蔵」の傾向が強く、「そと」での会話が苦手ということになります。

ちなみに、「うち」は家族や友人だけでなく「ネット空間」の場合もあります。ネット上では、なんでも書き込めるけれど、リアルな場では話せない人も増えてきています。なぜ、「そと」での会話が苦手になるのでしょうか。「そと」との会話が苦手と思っている人に、その理由を聞くと、こんな答えが返ってきました。

「相手との共通の話題がわからないから何を話していいのか......」

では、共通の話題があれば、雑談が苦手ではなくなるのでしょうか。実は、この「雑談が苦手だと思っている原因」に誤解があります。「共通の話題がわからない」と回答した人に、さらに深く聞いていくと、本人も気づいていないような苦手の要因が出てきました。

「実は、自分に自信がないんです」

「知らない人に心を開くのが苦手で、警戒心が強いんだと思います」

「会話が上手くいかず、失敗するのが怖いです。恥ずかしがり屋なので、失敗したら恥ずかしい」

よく聞いてみると、上手く話せない原因は、相手との共通点が見出せないことだと思っていたけれど、実は一番の理由は自分の心の中にあったということなのです。雑談が苦手な原因は、ここに大きなポイントがあります。

であれば、「自信がついて、心の壁を低くして、恥ずかしさがなくなるようなコツを教えてください!」となりますよね。そのとっかかりになる秘けつをお伝えします。

 

コンビニやレストランで「ありがとう」と言うだけで会話脳が育つ

さて、早速「自信がついて、心の壁を低くして、恥ずかしさがなくなる」ための秘けつをお伝えしましょう。実にシンプルです。知らない人、利害関係のない人にもあいさつをしてみる。これだけです。

たとえば、コンビニやスーパーのレジの店員さんから商品を受け取ったら、必ず「ありがとう」と言う。外で食事をしたときは、帰り際に「美味しかった。ありがとうございました」と言うクセをつける。たったそれだけです。

「なんだ、あいさつ程度のことか」とバカにしてはいけません。知らない人、利害関係のない人にあいさつをしているうちに、他者に対する心の壁はどんどん低くなっていきます。これは、スピリチュアルな話ではありません。脳の仕組みに即した、科学的にも実証されている、効果的な「脳のだまし方」です。「ありがとう」と他人に声をかけ続けていると、脳の中ではどんなことが起きるかというと、こうなります。

他人に対しては、そう振る舞うものなのだ > 相手との関係が深いかどうか

脳は、怠け者です。なので、もともと「人に話しかけるのは面倒だ」と考えやすくできています。そこで、そのクセを変えるために、利害関係のない人に声をかけるクセをつけてあげるのです。

たとえば、「ありがとう」と声をかけると、相手からも「どういたしまして」「こちらこそありがとうございます」などの反応が返ってくるかもしれません。こういう相手の反応があることで、脳は喜びを感じるようになり、それが「小さな達成感」につながります。これを続けていくと、「人に話しかければ達成感が得られる」と脳が学習するのです。

ここまでくれば、心の壁が低くなっていきます。「自分に自信がない」「知らない人に心を開くのが苦手」「失敗が怖い」「恥ずかしい」という心理的な障壁が、あいさつを続けることで、「あ、そんなに気にすることはないんだ」「もっと軽く考えればいいんだ」ということに気がつき、脳を「雑談ができるモード」に変換できるのです。

そもそも、雑談のスタートもあいさつからです。「おはようございます」「お久しぶりです」「お疲れさまです」あいさつを習慣にできると、雑談の出だしもスムーズになりますよね。あいさつの習慣はどんどん広げていってください。駅員さん、ビルの守衛さん、掃除をしてくれる人、会社の人と、どんどん広げていく。

「おはようございます」「ご苦労さまです」「ありがとう」程度の言葉で十分。あいさつされて不快になる人は、まずいません。むしろ、これだけで、あなたは相当感じのよい人だと思われるはずです。

できれば、あいさつは少し大きな声でしてください。「キャラが変わったみたいに思われるのは嫌」というのなら、時間をかけて徐々に変えていくのでもいいと思います。すると「最近、○○さん、元気だな」と言う人が現れはじめます。ここまでくれば「外地蔵」も解消です。

ギリシアの哲学者アリストテレスは言っています。「『垣根』は相手がつくっているのではなく、自分がつくっている」内弁慶の垣根を、他人とあいさつを交わすことで取り払いましょう。

著者紹介

ひきたよしあき(ひきた・よしあき)

コミュニケーションコンサルタント

コミュニケーションコンサルタント。スピーチライター。1984年生まれ。早稲田大学法学部卒業。
博報堂クリエイティブディレクター、スピーチライターとして活躍。その後、独立し、「言葉のプロ」として教育・講義・オンライン講座で幅広く活躍。大阪芸術大学客員教授、早稲田大学招聘講師として教壇に立ち、「はじめて『わかった!』と心の底から思えた講義」「一生ものの考える力が身につく」と学生から支持を集める。さらに、社会人向けオンライン学習コミュニティ「Schoo」では毎回約2万人が事前予約するほどの人気を誇る。
著書に『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』(大和出版)、『大勢の中のあなたへ』(朝日学生新聞社)、『トイレでハッピーになる366の言葉』(主婦の友社)など、累計28万部を突破している。

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