完璧を目指して疲れていない?行動心理学に学ぶ完璧主義の手放し方
2026年10月15日 公開
頑張っているのに、目標に届かないと「自分はダメだ」と責めてしまう。そんなことはありませんか?大切なのは、完璧な結果を求めることではなく、少しずつでも前に進むこと。自分を追い込む「内なる批評家」と距離を置き、成長に目を向けるための考え方を、オーランドの体験から学んでみましょう。
※本稿は、ニック・トレントン(著)・林田レジリ浩文(訳)『行動心理学が明らかにした ネガティブ思考を手放す技術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
「成功」より「成長」に目を向ける
まずは自分に問いかけてみましょう。
「あなたは自分の大きな目標に届かないたびに自分をひどく責める?いつも自分の内なる批評家と心の中で戦っている?」
そうであるならそろそろ考え方を変える時がきているかもしれません。でも忘れないでください。大きな目標に向かって努力するのは大切ですが、それが叶わない時に投げやりになって、そこから逃げ出してはならない、ということを。
成長を成功よりも大切にしよう、とまずは考えてみてください。進歩と少しずつの成長に意識を向けることで、内面の批評家を少しの間黙らせ、効率的な実のある人生との向き合い方ができるようになるものです。
自分への期待を、自分を痛めつけるものでなく、もっと自分にやさしく、励ましてくれるものへと変えてみる。そこからはじめてみましょう。
この最初のステップで大切なのは、小さくはじめる、そして1つのことからはじめること。
オーランドという青年はそこで、自分の目標でもある優れたMC(場を取り仕切る人)になることからはじめました。いつも著名なMCを念頭に置いていましたが、それに近づくためには完璧でなくても良い、ただ少しずつ改善していけば良い、と彼は自分に言い聞かせます。結果だけにこだわっていたのを、プロセスにも目を向けるようにしたのです。結果は自分の思い通りに行かないことも多いですが、プロセスなら自分がコントロールできることが格段に増えます。
そして小さなことにこだわる前に、まず大切なことをしっかりしようと決めたのです。彼にとってそれは、会場に来てくれる方たちに温かなおもてなしをするということでした。完璧でなくてはならないという思い込みを手放し、彼はゲストたちに良い思いをしてもらう、そのために自分の力を尽くそうと決めたのです。
もちろん、小さな失敗はありましたが、それが向上を台無しにするものではありません。欠点がありながらも常に改善を目指して、1つひとつの過程を大切にするという態度が結局のところ成功を呼び込みます。
「完璧でなければ」を手放す
オーランドのかつての考え方では、少しでも粗が見えるとそれで全体を失敗とみなして意気消沈することがありました。完璧主義では人は疲れますよね。そんな時は、自分がこだわる完璧とは何かをリストにしてみましょう。1つひとつ書き出してみると、どこに自分がこだわっているのかがはっきりします。
オーランドの例では、ごみが1つも落ちていない清潔な空間や、完璧に用意された食事などでした。
そのリストができると、次にこの中のどれをまず手放せるかを考えます。先の例であれば、ちょっとした汚れやごみは勘弁してもらうとか、出来合いの料理を遅れて提供するのも許してもらうことなどかもしれません。そうやって手放した結果がどうなるか、そして自分の心にどんな影響があるかを見てみましょう。
不完全さは、案外思いがけない喜びにつながるもの。ゲストもごみもない場所より、少しの粗があった方が安心するかもしれません。それがリラックスした気楽な雰囲気を作ってくれることも大いにあります。
それに大切なのは完璧を期すあまりに見逃していたことを、余裕をもって眺めるようになれることです。その余裕が、あなたに今までにない楽しみを与えてくれるでしょう。
少しの失敗は仕方ないと考えて、逆に些細なことでもうまくいったことを喜びましょう。完璧よりも向上、ですよ。