「成長スイッチ」をONにすれば、すべてがパンッと変わり始める!
2013年08月06日 公開 2021年02月05日 更新
誰しも退屈やマンネリを感じるものですが、すぐに脱出できるかできないかで人生は大きく変わります。
習慣化コンサルタントの古川武士氏が停滞から脱出して、なりたい自分に確実に成長していくための3つのスイッチを紹介します。
※本稿は、『人生を決める「成長スイッチ」をONにする!』(PHP研究所)の内容を、一部抜粋・編集したものです。
退屈とマンネリが生まれるのはなぜか?
成長を感じるために乗り越えなければならないのが、停滞感(マンネリ、退屈)といった状態です。本格的な成長を遂げるために、まずは「停滞メカニズム」にハマっている自分を知ることが大切です。
そもそも、あなたが退屈とマンネリを感じるのはなぜでしょうか?こころのメカニズムを理解できるとその理由はハッキリします。少し心理学的な側面から説明をしましょう。
こころには、意識できる部分と意識できない部分があります。それはちょうど氷山に似ています。水面上に現れている意識は日常、私たちが意識できている部分です。
しかし、私たちのこころには水面下に隠れている無意識の世界も存在します。無意識というと怪しい世界のように聞こえるかもしれませんが、普段自然すぎて意識できていない部分、また自分ではコントロールしづらい自律的に働いている機能と解釈してください。
無意識が働いている例としては、何かに恐怖を感じたり、反射的な反応をする場合です。高いところに行けば誰もが足がすくんで恐怖を感じます。汗をかき、震えるといった反応は、無意識の働きです。また、ライオンやサメを見て恐怖を感じるのも、無意識の反応です。
私たちが生きていく上でいちいち意識で判断するまでもなく、自動的に生命を維持してくれるように脳には大切なプログラムがたくさん入っています。それが無意識の世界です。
もう少し身近な例を出すと、元プロ野球選手の清原和博さんは、犬が大の苦手だそうです。188センチの清原さんが子犬を見て逃げ惑うのです。
意識で考えれば、犬はそうそう噛みません。それは清原選手も百も承知です。しかし、犬が来ると反射的に「怖い」と感じて逃げ惑うのです。
犬恐怖症の人の無意識には、犬にまつわる恐怖体験から、犬=危険というメッセージが子供の頃に植え付けられているケースが多いものです。だから、大人になっても犬を避け続けるのです。
一見滑稽ですが、子供の頃、犬に襲われることは、生命維持の観点からすると危険だったわけです。無意識が犬=危険と判断した場合、安全を守るために犬に近づかせないようルールを作るのです。
長くなりましたが、ここで理解していただきたいことは、無意識のミッションは、安全・安心を確保すること。それには「現状維持」をすることが一番なのです。人間に生存本能がある限り、当然といえるこころの働きです。簡単にいうと無意識は「事なかれ主義」だということです。
よって、無意識は変化を嫌います。
無意識は変化せずあなたを必死で守ろうとします。一方、意識は成長のために変わりたいと思うわけです。このせめぎ合いから、変わりたいけれど、変われない。成長したいけれど、挑戦できない、というジレンマが生まれます。
ちなみに無意識と意識の力関係はどれぐらいなのでしょうか7
人間の認識の95%は「無意識」の領域で起こっており、意識しているのは、多くてもわずか5%に過ぎないとよく表現されます。数値化はしょせん難しい世界ですが、今は無意識が私たちの生活や人生に大きな影響力を発揮するのだと理解していただければ結構です。
たとえば、いかに生活の中で同じことを無意識に繰り返しているかの例をご紹介します。
Aさんは、毎日だいたい次のような行動をとっています。
朝、出勤するとすぐにメールチェック。お昼はいつものソバ屋に行き、その帰りにコンビニで同じ銘柄のお茶とガムを買います。夕食は仕事帰りにいつもの惣菜屋でお弁当を買っています。
Aさんは無意識にこのようなパターンで生活をしています。
しかし、Aさんの一日には他にも様々な選択肢があったはずです。
朝、会社に行ってすぐにミーティングをする、お昼はフレンチに行く、会社で買う飲み物は新作のスポーツ飲料、夕食は自宅で簡単に料理を作っても良かったのです。
あなた自身の生活を想像してみると実感できるかもしれません。
昨日を振り返ってみて、いつもと違うことをどれぐらいしたでしょうか?
いつもと違うことをするのはとても居心地が悪く、勇気のいることなのです。なぜならば、大きな影響力のある無意識に対抗することだからです。
結果、散歩のルートを変える程度のことでも、居心地の悪さを感じるのです。私たちの生活が、いかに無意識の影響を受けているかはご理解いただけたと思います。