ブドウ糖なしでも脳は活動できる
糖質中毒に陥らないためには、「少しだけなら大丈夫だろう」と考えず、糖質を断つことが必要です。そう言うと、「脳のエネルギー源であるブドウ糖を断ったら、それこそ脳が働かなくなってしまうのでは?」と疑問を持つ人もいるかもしれません。
でも、心配はいりません。近年の研究で、“ケトン体”という物質が、脳のエネルギー源になることが明らかになっているからです。
ケトン体とは、炭水化物などの糖質の摂取を制限したときに、体内で発生する物質です。
マウスを使った実験では、ケトン体を誘導するエサを与えることで、脳の認知能力が20%伸びたという結果が得られています。
また、ココナッツオイルを摂取すると、ケトン体の血中濃度が上昇することがわかっています。アルツハイマー病患者にココナッツオイルを毎日摂取させたところ、脳の認知機能が著しく回復したという研究報告もあります。
米国の医学会は、すでに、「ブドウ糖よりもケトン体のほうが脳にとって優れたエネルギー源である」という見解で統一されつつあります。日本の医学会は米国の医学会の後追いをしますから、日本でも、あと1年か2年もすれば、この考え方が主流になるでしょう。
ケトン体の効果はすぐに実感できる
ケトン体の効果を実感するのは簡単です。まずは今日の夕食で、炭水化物を抜いてみてください。明日の朝は普段より一時間ほど早く、すっきりと目が覚めますし、顔のむくみもないはずです。
ケトン体は、糖質を断って5時間ほどで発生するので、少なくとも24時間以内には、普段との違いを実感できるはずです。
私が勧める"ケトン食"は、精製された白砂糖と炭水化物を摂取しなければ、あとは基本的には何を食べてもかまわない、というものです。
白いご飯やパン、麺類、甘いお菓子や飲料はもちろん、小麦粉を使ったお好み焼きや餃子、デンプンを多く含むいも類、糖質が多めの果物(バナナ、パイナップルなど)も避けてください。
これまでに、30人はどの方たちにケトン食を体験していただきました。その中の多くの人が「仕事に集中できるようになり、効率が上がった」と話しています。
大きなプレゼンや商談など、「どうしても脳を活性化させたい」という機会があれば、ぜひ、その前にケトン食を実践してください。きっと、パフォーマンスが上がるのが感じられるはずです。
「朝ジュース」でケトン体質に!
「旬の野菜+旬の果物・柑橘類」を基本としたジュースを朝食にすると、血糖値とインスリンの分泌が安定し、ケトン体回路を働かせることができる
★朝ジュースの例(1人分)
(1)ニンジン1/3本+リンゴ1/2個+レモン1/2個+ミネラルウオーター100ml
(2)トマト(中)1/2個+グレープフルーツ1/2個+ニンジン1/3本+無糖炭酸水(ミネラルウオーター)100ml
(3)アボカド1/2個+レモン1/2個+クルミ10g+蜂蜜大きじ1(好みで)+ミネラルウオーター100ml
ポイント
●ジューサーでは繊維が捨てられてしまうので、ミキサーでジュースにすること
●無農薬のものを使うと、抗酸化成分のフィトケミカルを含む皮も摂れるので、なお良い
●昼食・夕食でも、炭水化物は避けること