シンプルでローリスク、それでも資産1億円! 大学教授が考えた「科学的投資法」
2015年11月03日 公開 2023年02月02日 更新
「 あと出しジャンケン」のような必勝法を解説しています
Prof.サカキ式投資法の詳しい内容については、第2部の第1章から第4章で解説しますが、ここで少しだけ具体的に説明すると、本書では「各四半期決算(または本決算)において企業業績が10%以上増益になる」ということが発表された場合、それを知ってから株を買っても、一定の条件を満たしていれば80%以上の高い確率で間に合うということを明らかにしました。
すなわち、一定の条件を満たした企業が10%以上の増益を発表したら、それを見てから株を買っても、80%以上の確率で4カ月以内に株価は10%~ 50%の力強い上昇をすることがわかったのです。本書で解説するのは、まさに「あと出しジャンケン」のような必勝法です。
「あと出しジャンケン」というとなんだかインチキくさい響きもありますが、そんなことはありません。そもそもインサイダー取引は違法な取引として禁止されているわけですから、市場参加者は全員が「あと出しジャンケン」しかできないのです。ですから、「あと出しジャンケン」というのはインチキでもなんでもなく、市場のルールに則った取引なのです。
では、どんな銘柄に「あと出しジャンケン」をすれば間に合うのかというのが本書の中心的な問題意識であり、それを第2部でつまびらかにしていこうと思います。
当面の目標は「株式で資産総額1億円」です
前作の『お金持ちになるための本』にも書きましたが、株式投資には「複利の力」を活用できるというメリットがあります。利益を再投資することによって効率よく資産を殖やしていくというのが「複利の力」であり、かのアインシュタインも「複利の力」のことを「人類が生んだ最大の知恵だ」と言っています。
本書の投資法は税引後の年率で10%~ 20%を目標としており、(元手の金額や途中の追加資金の規模にもよりますが)10年くらい実践し続ければ、資産総額が1億円になるのも夢ではありません。
はっきりとした目標を持ったほうが成功しやすいので、目標は「株式で資産総額1億円」と明言しておきます。
そして、株式の資産総額が1億円を超えますと、「ストレスが大きい世界」が展開され始めます。というのも、1日で動く金額が大きくなりすぎるのです。
日経平均株価というのは1日で1%やそれ以上動くことがよくあります。日経平均株価が1万8,000円前後の時に180円くらい上がったり下がったりするのはよくあることです。これが「1日で1%動く」ということです。
2015年9月9日には日経平均株価が1日で1,343円上がりました。率にして7.7%です。これは25年ぶりの上げ幅だったので非常に珍しいことだったのですが、このように株価というのは1日で1%~5%くらいは、当たり前のように上がったり下がったりするものです。
そして、個人投資家の保有株の上げ下げというのは日経平均株価にある程度連動しがちなので、そうすると、資産総額が1億円あるということは、1日で100万円~ 500万円くらいの幅で含み損益が動くということなのです。これが「ストレスが大きい世界」です。
1日で500万円も下がればもちろん大きなストレスですし、500万円上がっても、やっぱりストレスなのです。「嬉しいこと」でも、極端なことに対して人間はストレスを感じるようにできているようです。
ですから、当面の目標を「株式で資産総額1億円」としておくのです。
そして、株式の資産総額が1億円を超えて、「ストレスが大きい世界」になったなと感じ始めたら、株式投資で増えた分を引き出して現金で不動産に投資します。不動産に投資しておけば、日々の損益はあまり気にならなくなります。不動産投資は、全額現金で行なえばリスクが極限まで低減します。そして、典型的な「不労所得」を生んでくれます。
だからこそ、まずは株式投資で「資産総額1億円」を達成しましょう。55歳くらいまでに達成できれば上出来です。ライフワークとして、この目標を達成しましょう。そうすれば、年間の利回りを数%~ 10%として、「資産総額1億円」で毎年数百万円~ 1,000万円の売買益を得られるようになります。これが2,000万円くらい貯まったところで不動産に投資すれば、その不動産が家賃収入という「不労所得」をもたらしてくれます。
また、配当だけでも200万円~ 300万円を得ることも可能ですから、それだけでも年金代わりになります。
1億円という資産は、上手に運用すれば、不動産から得られる家賃と株の配当だけでも毎年数百万円の資産所得(=不労所得)をもたらしてくれるのです。「株式で資産総額1億円」という当面の目標が生み出してくれる世界というのは、こんなにも「バラ色の未来(老後)」なのです。
しかも、株式にはインフレ対抗力もありますから、将来のインフレにも備えることができます。一石二鳥です。本書をきっかけに、皆様が「バラ色の未来」を描いていただければ幸いです。