人類史に刻まれる「第4次産業革命」が間もなく始まる
2018年08月29日 公開 2018年12月17日 更新
<<本稿は藤原洋著『全産業「デジタル化」時代の日本創生戦略』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです>>
第4次産業革命である「デジタルトランスフォーメーション」が全産業の構造を変える
現在も指数関数的な急激な進化を続ける「技術(テクノロジー)」。近い将来、技術の進歩が、具体的にどのようなインパクトを人類に与えるのでしょうか。
その前に人類の歴史を振り返ると、これまでに三度、産業を一変させる技術革新つまり産業革命が起こりました。
第1次産業革命は、18世紀後半の蒸気機関による動力革命でした。
第2次産業革命は、重化学工業革命とも呼ばれ、工業が基幹産業となる「工業社会」を形成させました。その結果、「土地」を規範とした「領主と領民の関係」に基づき、農業が基幹産業であった封建社会を崩壊させ、「モノ」を規範とした「資本家と労働者の関係」を生み出し、資本主義社会が形成されました。
第3次産業革命は、近年のデジタル情報革命です。
そして、これから起こるであろう第4次産業革命は、「デジタルトランスフォーメーション革命」だと私は捉えています。
デジタル情報革命が、コンピュータ産業やIT産業といったデジタル情報産業を新しく生み出したのに対して、デジタルトランスフォーメーション革命では、農業などの第1次産業から製造業などの第2次産業、サービス業などの第3次産業まで、ありとあらゆる産業がデジタル化し、産業構造が大きく変わると考えられています。
つまり、デジタル技術がすべての産業の構造を変えるのです。
この第3次産業革命と第4次産業革命は、工業社会を崩壊させ、「生産者と消費者の新しい関係」を生み出し、「情報社会(ネットワーク社会)」へと大きな変革をもたらすことでしょう。