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話の“間”を恐れてしゃべり続ける人の心理

犬塚壮志(士教育代表取締役)

2019年02月27日 公開 2023年01月30日 更新

 

「間」で前のめりにさせる

役割2についてです。これは、「間」を意図的にとることで、「次は何を言うんだ?」と、相手が能動的に耳をかた向けてくれるようになります。

一方的に話さざるを得ない状況だったり、会話が苦手だったりする場合では、こうやって意図的に「間」を取ることで、聴き手を前のめりにさせ、自分の話を積極的に聴いてもらうよう仕向けるのです。

例えば、疑問系の言葉で(これを発問といいます)、聴き手の頭に「?」を作って興味関心を引いたとしましょう。ただ、一切の「間」を空けずに、すぐさま答えを言ってしまう人がいます。でも、それはすごくもったいないことです。

せっかく聴き手の頭の中に「?」のフックを作ったのに、すぐに回答がわかってしまったら、回答のインパクトがなくなって発問の答えのありがたみが薄れてしまいます。

「今、Yahoo!ニュースのアクセスランキングのトップ記事って、どんな内容か知っていますか?(2秒)その記事のタイトルは…」

このように、特に、発問の後は、1〜2秒ほど空けてから、その回答につなげていくようにするだけで、聴き手は、回答を気になった上で(・・・・・・・・)、聴いてくれるのです。つまり、聴き手はあなたの話を前のめりに聴いてくれるようになるのです。

 

大物は、「間」の達人

役割3ですが、大物と呼ばれる一流のスピーカーは、得てして「間」の取り方が秀逸です。特に、私が「間」の取り方に関して鮮明に覚えているのが、日本M&Aセンターの分林保弘(わけばやし・やすひろ)会長です。

お会いしてそのお話を聴いているときは、「なんてオーラのある方だ!」と思ったのですが、その理由は「間」にありました。

もともと分林会長は、日本の伝統芸能である能楽の1つである能をライフスタイルの1つに能を取り入れていらっしゃるのです。

おそらくですが、その能の特有の雰囲気が、優れた話し方の「間」の由来になっているのだと感じました。超一流の経営者は、「間」を上手くとりながら、堂々とゆっくり話すことで、余裕を見せ、それが自ずと大物感を演出しているのでしょう。

 

「間」の恐怖を乗り越える

確かに、自分に注目が集まっているときに、1〜2秒の間を取るというのは、「この人たちにどう思われるだろうか…」。そんな考えが頭を巡ってしまうのも頷けます。

ただ、自分が思っているほど、相手は自分のことを否定的には見てきません。ですので、勇気を振り絞って、「間」を取るようにしてみてください。それが聴き手のためでもあり、自分のためでもあるのです。

ぜひ今日から、「間」というものを、話しの中に入れ込んでみてください!

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