"即戦力の新入社員"ほど「自分の意見」を温存する理由
2019年04月05日 公開 2024年12月16日 更新
「意見」や「考え」を伝えるのは、聞かれるまで温存しておく
これまでお話ししてきたことを、企業さまでの新入社員向け研修でも話していた際に、ある受講生の方が、
「それじゃあ、新入社員は一切、意見を言うなってことですか!?」
講義の途中でそういった声をいただいことがあります。確かに、私の説明の途中でそう思ってしまうのは当然だと思います。
ただ、私が新入社員さんに伝えたいのは、「新入社員は、意見を言うべき」「言うべきでない」の二元論ではありません。
ここで私がお伝えしたのは、「入社してから身につけるべき説明スキルには優先順位がある」ということなのです。「事実」と「意見」を説明の中に混在させてしまうと、「事実」のみを正しく伝える説明スキルが極めて身につきにくくなってしまうのです。
これは多くの企業様の研修で実証済みです。あえて「意見」を排除する意識をもつことで、「事実」のみが浮き彫りになってきます。だからこそ、冒頭で私がお話しした「説明において、新入社員の皆さんの意見は不要です」、ここにつながるのです。
組織の活動において、「事実」のみを正確に伝えられる説明スキルがないと仕事が成立しないということは、多くのビジネスパーソンの方が納得できるはずです。
ですので、新入社員さんは意見や提案を伝えるスキルを磨くよりも、「事実」を正確に伝える説明スキルを優先的に身につけるべきだとなのです。
もし、上司の方の判断などで、その新入社員さんの意見や考え、提案などが必要になったら、その時に答えられるようにしておけばいいのです。
「キミはどう思う?」
そう聞かれたときのみ、「事実」と分離させて、ご自身の意見や考えを説明すればいいと私は考えています。
新入社員に関わらず、新しい仕事に就いた際には、まず客観的な事実のみを、素早く正確に伝える説明スキルをまず身につけていただければと思います。