扱いづらい感情は、押さえつけたり、なかったことにしたり、しまい込んだりしては逆効果です。整理して、片づけて、安全なかたちで手放すと、大きなプラスとなって戻ってきます。
臨床心理士の関屋裕希さんが月刊誌『PHPスペシャル』にて、「感情の整理法」を教えています。ここでその一部を紹介します。
※本稿はPHPスペシャル 2019年9月号より一部抜粋・編集したものです
怒りや悲しみをムリに抑え込むと、喜びや楽しみも感じにくくなる
感情は、今自分がどういう状態にあって、次にどうしたらいいのかを教えてくれる「道しるべ」のようなものです。それがたとえ怒りや悲しみ、落ち込み、不安のような好ましくない感情であっても、感情はすべて私たちに大切なことを教えてくれます。
そのため、感情を悪者にして、不快だからと押さえつけたり、無理やり手放したりするのはもったいないことです。
イライラしたりモヤモヤしたとき、その状態が嫌だからと感じないようにしたり、「ちょっとストレスがたまっているだけかも」「忙しいから仕方ない」と見過ごしたりすると、やがて不快な身体症状が引き起こされることがあります。
偏頭痛になったり胃腸系の不調が現れたり、免疫力が低下したり、風邪をひきやすくなったりするのです。それは、「もっと感情を感じてよ」という心から体へのサインです。
また、怒りや悲しみなどの不快な感情を押さえつけていると、喜びや楽しみなどの快の感情も感じにくくなってしまいます。
ここでは、怒りや悲しみ、落ち込み、不安が生まれたときに、それらをすぐに捨ててしまおうとするのではなく、上手に整理して、そこから学べるものをしっかり受け取って、自然と手放していく方法をお伝えします。