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社会

"タワマン被災"で注目のトイレ事情 なぜ人は「便」の話題を避けるのか?

ジャック・シム(訳 近藤奈香)

2019年10月30日 公開 2023年01月18日 更新

トイレをステータス・シンボルに

我々の最大のミッションは、タブーであるトイレをステータス・シンボルとして確立することだ。

たとえば人口10億人を誇るインドでは、6億人が満足なトイレがない状況での生活を強いられ、毎年60万人が衛生上の問題から命を落としている。こんなに悲惨な状況であるにもかかわらず、インドでは携帯電話の数がトイレの数を圧倒的に上回っている。

彼らの意識の中ではトイレよりも、携帯電話の優先順位が高いからなのである。こうした人々が高級ブランドのバッグに憧れるように、トイレに憧れるようになることが我々の目的なのだ。

つまり、WTOの活動はトイレを建設することではなく、トイレの伝道師として「ストーリーを伝えること」である。ストーリーを制するものが、「トイレ戦争」を制するからだ。話の伝え方、ストーリーテリングの威力は絶大なのだ。

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