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“薬物依存”に苦しんだ有名人の息子…きっかけは「高学歴の真面目な友人」だった

十枝晃太郎(館山ダルク代表)

2019年11月07日 公開 2019年11月20日 更新

 

全ては「ちょっと断りにくいな」から始まってしまう

当時の僕は普通の人の感覚と同じで、麻薬や覚せい剤などには全く興味がありませんでした。しいて言えば当時の自分にとって一番興味があったことといえば、異性のことでした。

まさか自分に麻薬の出会いがあるとは思ってもいませんでしたし、そんなものはテレビの中だけの話で実際にはありえないとさえも思いませんでした。それほど無関係な話でした。

おそらくですが、薬物に陥った経験のある人たちの入口は僕と同様ではなかったでしょうか。

すごく信頼していた友人や尊敬していた先輩、仲の良い異性、または力関係の上位の人など、「ちょっと断りにくいな」という人からの勧めで始めてしまうことが多いと思います。

僕の場合、その相手は真面目で魅力のある友人の1人でした。友人たちの間でもリーダー的な存在である人からの誘いでした。

いい大学にもいっていましたし、説得力もあるその人の勧めならそんなに悪いものじゃないだろうな……と軽率にも手を出してしまったのです。それがはじめの一歩でした。

 

その場の雰囲気に流されパイプを手にしてしまった

このように、遠い世界と思っていた薬物だったのに、意外と身近に落とし穴があるものなのです。それは現在でも同じでしょう。

その当時は情報も少なかったですし「クサは安全・タバコより害が少ない」「やめられなくなることは絶対にない」と、決まり文句のようにその友人は言っていましたが……。

今にして思えばそれに手を出す自分には、かなりの問題があったと思います。ですが、当時はそのことには気づきませんでした。

その後の人生の崩落などは少しも考えず、その場の流れのままパイプを回していました。

それが幕開けでした。僕の場合、海に行く時も踊りに行く時も、大麻が「なくてはならないもの」になるまでに時間はかかりませんでした。

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