「教えてもらえればできる」…ネットを知らない人が抱く”謎の自信”

ネットを「知っている人」になるためのシンプルな方法

では、ネットを「知っている人」になり、適正価格を見分けられるようにするにはどうすればいいのか？

極論を言えば、「自分で調べられる」という能力を身につけることが、ネットの「知っている人」になるための唯一の方法といえる。

ネットの業界は変化のスピードが速く、常に新しい情報をキャッチして、それを仕事に生かしていかなければいけない。つまり、自分でわからないことを調べて、問題を解決していく行動力がなければ、ネットを「知っている人」にはなれないのである。

コンサルタントという仕事柄のせいか、「ネットのスキルを磨く方法を教えてください」と質問をされる機会が多い。

そういう場合、私は「まずはヤフオクで月10万円を稼げるようになってください」と言うようにしている。そのアドバイスを聞いて、素直に「はい、わかりました」と、すぐにヤフオクを始められる人は「知っている人」になれる素質がある。

もし「ヤフオクで月に10万円を稼ぐ」ことに本気で取り組むのであれば、ネットや本を調べればヤフオクの攻略法はいくらでも見つけることができる。

つまり、ヤフオクに関しては「わからない」「知らない」が通用しない世界なのである。自分で調べて、すぐに行動に移すことができれば、新しいネットのトレンドが出てきても、即行動に移してそのトレンドをビジネスにつなげることができるはずである。

対して、そのようなアドバイスを受けても行動に移せない人は、残念ながらネットの仕事に向いていないといっていい。

ネットの仕事を自分で実践できない人は「わからないこと＝やらない」という思考になっているので、仮に今後ネットで新しいトレンドが出てきても放置してしまう可能性が高い。

わからないことを自分で調べる力がないということは、常に人に頼らなくては仕事ができない環境下にあるので、何をやるにしてもコストが高くなる。また、他人の言ったことをすぐに鵜呑みにするしかないので、まちがった情報をキャッチしてしまう可能性も高くなってしまう。

通常であれば、「わからないことは専門家に」「わからないことは外注で」で済ませられる仕事も、ネット業界ではその専門家も外注も当てにはならない。

歴史が浅く、「知っている人」が少ない業界である以上、防衛策として自分でスキルを磨くしか方法はない。そのスキルも、たくさんの外注業者や専門家とコミュニケーションを取って、本物を見極める目を養っていくことではじめて身につく。

身近にネットの存在があるせいか、かんたんにマスターできるものだと思い込んでいる人も多いが、現状これだけ身につけることが厄介で面倒くさいスキルはほかにないといってもいい。

自分自身でスキルを磨いていかない限り、適正価格でネットの仕事を受けることも、専門家の知識を十分に活かすこともできないのである。