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断ると怒る…しつこく部下を飲みに誘う“昭和型マネージャー”の思考回路

成田直人(ジャパンブルーコンサルティング株式会社代表取締役)

2020年05月25日 公開

 

なんでも自分でやった方が早いと考える

仕事をすべて自分で抱えて「自分が一番よく頑張っている。部下は使えなくて全く戦力にならない」と思っている被害者ずらしているマネジャーは今後生き残れません。

「部下に仕事を任せることができません。どうしたらいいですか?」

これは私がマネジャー研修をしていて質問によく挙がってくるのですが、この考え方である以上、マネジャーの仕事量は減るどころかどんどん増えています。

今は一昔前と違って商品やサービスを購入する顧客の価値観が多様化しています。最近は大ヒットというものはめったに聞かなくなり、それよりも小ヒットを連発することが増えましたし、求められるようになりました。理由は価値観が多様化し、みんなが一つの商品やサービスに群がることがなくなったからです。

するとその分、業務が増えます。お客様に合わせたセールスや事務手続きがあり業務が複雑化してきています。すると一人ですべての業務を抱えることができなくなるわけです。ある程度部下に委譲しなければ自分自身で完璧に全体を管理することができなくなっています。

しかし、それでも仕事を手放せず、自分が一番がんばっていると思い込んでいるのがマネジャーによくあるパターンです。

すべての業務に精通していないと気が済まないし、部下の失敗をキッカケにクレームになるのが怖くてすべてを管理しようとします。それで心身ともに疲弊してしまうマネジャーが生まれているのです。シンプルに任せることに重きを置いて仕事をすればいいのにと考えています。

ミスを恐れるあまりあなたがすべての仕事を行うより、部下のミスのケアを優先した方が組織は拡大します。

よく自分でやったほうが早い系のマネジャーにも「●●さんが全部やる時間よりも、部下のミスをリカバリーする方がどう考えても時間は短いですよ」と伝えています。

たとえば、ある仕事を一人ですべてをやろうとすると1時間かかるとします。自分でやると1時間使いますが、部下に任せるとその分他の仕事ができます。仮に、部下が7割の仕事しかできなくても、3割分の仕事のリカバリーでことはすみ、部下があなたより仕事が遅かったとしても3割が1時間より長くなることはないでしょう。

しかも部下は次からは少なくとも7割以上はできるわけですからどんどん10割に近づくわけです。そうすれば一つずつ仕事は手離れするし、あなた自身も時間的に余裕ができればもっと笑顔で楽しく部下と仕事ができるはずです。

いつもしかめっ面で仕事をキャパギリギリまで請け負って、部下にイライラした姿を見せるよりも、できるだけ仕事を任せたほうが絶対に効果的だと思います。

あなたはいつもニコニコ笑顔で部下のミスを受け入れられるマネジャーになっていますか? なっていないのだとしたら、考え方を変えてみてください。

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