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生き方

人間関係に悩まない「最適な距離感」のヒントがバスケットボールにあった

みくりや佐代子(フリーライター/エッセイスト)

2021年04月28日 公開 2023年10月13日 更新

良好な関係を築く「ワンアーム・ディスタンス」

では「みんなに好かれるいい人」にならないようにどうするのが正解なの?と首をひねりたくなりますよね。私は、もっと他人に薄情になりましょうと言いたいのではありません。ただ、大切なのは仕事をする相手との距離感に尽きます。

「ワンアーム・ディスタンス」という言葉を知っているでしょうか。バスケットボール用語で、ディフェンスからみたオフェンスとの理想的な距離を指す言葉です。

ワンアーム、つまり腕1本分の距離であればオフェンスがドリブルで進むこともシュートを打つこともしづらくなるので、ディフェンスの人は常にその間隔を保持しながらマークにつくのです。

ワークライフバランスを大切にしていく中で、人間関係もまさにこの「近すぎず、遠すぎず」のワンアームの距離感が重要なのではないかと思うようになりました。

仕事がしやすいようにある程度のコミュニケーションは必要ですが、だからといって親密になりすぎたり、好かれようと努力する必要はありません。

そしてそのワンアーム・ディスタンスを保つ一番の秘訣は、ズバリ「事実に正直であれ!」です。日本語が変じゃない?と思われるかもしれませんが、言葉どおりの意味です。今ある事実を正直に伝えることが重要なのです。

今、どんな問題が起きているのか。どのようなミスによるものか。今、自分は手伝う時間的余裕があるのか、ないのか。

それらの事実のみを、愚痴や言い訳などのバイアスをかけず正直に伝えることは案外難しいのですが、それがきちんとできてこそ仕事仲間と適切な距離感が保てるのではないかと考えます。

「みんなに好かれるいい人」を目指すことの落とし穴は、「みんなに好かれている」のが心の栄養だと思い込んでしまうこと。好かれた状態を保つために無理を続けてしまっては負のループから抜け出せなくなってしまいます。

他者評価のみによって自分を構築しないように。あくまで「自分が自然体である」のが健康な状態です。

 

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