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生き方

「他人を見下したがる人」が最も恐れているものの正体

加藤諦三(早稲田大学名誉教授、元ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員)

2021年08月31日 公開 2023年07月26日 更新

 

他人への敵意が自分に向けられる悲劇

嫌われるのが怖くて、自分を偽ってその人に気に入られようとすれば、ほとんど必ずといっていいほど、その人への憎しみを持つようになる。少しずつ気がつかないうちに、心の底にものすごい敵意が蓄積されることになる。

彼らはたえず他人に好印象を与えないと、人に見下されるのではないかと恐れる。人に見下されることを恐れている者は、自身が心のどこかで人を見下してやろうと思っているからである。自分のなかにある「人を見下そうという感情」が抑圧される。そしてその抑圧された感情が他人に投影される。

自分を他人によく見せようとすること以外に人生の目標がないような人は、おそらく心の底に禁じられた敵意が渦巻いているにちがいない。敵意を抑圧するから不安になり、さらに自信を失う。自信を失うから、嫌われるのがよけい怖くなる。

他人に好かれないと不安になる。そして他人に好かれようとして、自分の心の中の敵意を抑圧する。このような悪循環のなかで、人は生きることがどうもうまくいかなくなる。

【著者紹介】加藤諦三(かとう・たいぞう)
1938年、東京生まれ。東京大学教養学部教養学科を経て、同大学院社会学研究科修士課程を修了。1973年以来、度々、ハーヴァード大学研究員を務める。現在、早稲田大学名誉教授、日本精神衛生学会顧問、ニッポン放送系列ラジオ番組「テレフォン人生相談」は半世紀ものあいだレギュラーパーソナリティを務める。   

 

著者紹介

加藤諦三(かとう・たいぞう)

早稲田大学名誉教授、元ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員

1938年、東京生まれ。東京大学教養学部教養学科を経て、同大学院社会学研究科修士課程を修了。1973年以来、度々、ハーヴァード大学研究員を務める。現在、早稲田大学名誉教授、日本精神衛生学会顧問、ニッポン放送系列ラジオ番組「テレフォン人生相談」は半世紀ものあいだレギュラーパーソナリティを務める。

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