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管理しきれない実家のお墓...実はメリットも多い「墓じまい」の手引き

吉川美津子(葬儀・お墓・終活ビジネスコンサルタント)

2021年12月22日 公開 2024年12月16日 更新

 

両親、親戚、土地、費用...すべてが丸く納まる墓じまいの進め方

一般的な墓じまいの流れを、5つのステップで紹介します。

【STEP1】関係者に相談し理解を得る

・まずは親族の理解を得よう!

最初にすべきことは、関係のある親戚の理解を得ることです。反対する親族を無視して進めると、のちに問題になりかねません。「このままだと管理が難しく、無縁墓になる可能性がある」「ご先祖を大事にしたいので、今のうちにきちんと供養できる環境を整えておきたい」と丁寧に説明し、納得してもらいましょう。

・管理者への相談も忘れずに!

親戚のほか、お墓の管理者である寺院や霊園にも同時に相談しておくとよいでしょう。長年お世話になった管理者とのトラブルを避けるため、「墓じまいしようかな?」と思ったあたりで早めに伝えておきましょう。

【STEP2】新しい納骨先を決める

・新しい墓石のお墓

新しい場所に墓を建て、遺骨を移します。今後、自分や家族などで管理をして、他人と一緒の墓に入れたくない人に向いています。

・樹木葬

墓石ではなく樹木や花を目印にした墓のこと。継ぐ人がいなくても買える永代供養を前提としたものだけではなく、家族単位で使用できるものもあります。

・手元供養

遺骨を自宅で保管し、供養する方法で「ミニ骨壺」や「遺骨ペンダント」などがありますが、いずれはどこかに納骨することも考えておきましょう。

・永代供養墓

子々孫々と継ぐことを前提とせず、管理者が永代にわたって遺骨を管理・供養するシステムのお墓のこと。継承者がいない人に向いています。納骨方法は個別納骨、合葬納骨などタイプはさまざまです。

・納骨堂

遺骨を安置するための室内施設です。ロッカータイプや自動搬送式タイプなど、さまざまな形があります。アクセスがいい場所に納骨したい人に向いています。

【STEP3】書類の手続き

墓じまいには以下の書類が必要です。

(1)改葬許可申請書
入手先:既存墓地がある市区町村の役所
*HPからダウンロード可能

(2)受入証明書
入手先:改葬先の霊園、寺院

(3)埋葬証明
入手先:既存墓地がある霊園、寺院など
*改葬許可申請書の所定の欄に証明をもらう。管理者が定める様式でも可とするところもある

(4)改葬許可証
(1)~(3)の書類を役所に提出し、入手します。

【STEP4】墓石の撤去

石材店に依頼し、墓石の解体工事を行ないます。

【STEP5】新しい納骨先での供養

改葬許可証を提出し、納骨、供養を行ないます。

 

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