日本はアメリカの「核の傘」に守られている
歴史を振り返ると、その時代の最新の技術をもっている国が地政学的に力をもってきました。19世紀~20世紀の帝国主義時代は海軍力(シーパワー)が強いイギリスが力をもち、第2次世界大戦中は、海軍力に加え、空軍力(エアパワー)が強いアメリカが力をもちました。
そして戦後は、核戦力(ニュークリアパワー)をもったアメリカとソ連(現在のロシア)が世界の超大国になりました。
冷戦時代、アメリカとソ連は競って核兵器をつくりました。両国は自国はもちろんのこと、お互いの同盟国に対する核攻撃を抑止するために、「お前が核兵器を使ったら、こっちも使うぞ」と、お互いに脅しの意味で核兵器をどんどん増やしていったのです。
その後、冷戦が終わるとアメリカとロシアは核兵器を減らしていきますが、北朝鮮など一部の国は核兵器を増やしています。戦力をもてない日本は当然のことながら核兵器をもてません。
北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は、これまでに何度となくミサイル発射実験を行ってきました。日本海に落下させるだけでなく、これまでに(2021年2月現在)日本上空を6回も通過させています。ちなみに北朝鮮がミサイルを撃てば約7分で日本に着弾します。
このように、現在日本は、北朝鮮に核攻撃される危険にさらされていますが、北朝鮮は日本に核兵器をそう簡単に使えません。
同盟国アメリカの核兵器が抑止力になっているのです。このように核保有国が同盟国に核兵器の抑止力で安全を保障することを「核の傘」といいます。