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出生前診断の結果をどう受け止めるのか? 「障害を受容する」ことの意味

キム・ウォニョン(弁護士/俳優/作家)

2022年12月23日 公開 2024年12月16日 更新

 

一瞬でも障害を損害だと考えてしまうのは、日々受容しようと努めているから

障害を受けいれることは、障害を何か価値のある産物だと信じることとは異なる。障害児の出産を損害だと考えた瞬間、そのような信心は続かなくなるだろう。価値のある産物が損害であるはずがないからだ。

しかし、障害というアイデンティティが何かの産物ではなく、ある個人が障害という経験に基づいてつくり上げていく「物語」そのものだとしたら、アイデンティティを受けいれることは1つの局面ではなく、人生の長きにわたって自分の物語を「紡ぎ続けていく」ことにほかならないだろう。

つまり障害の受容とは、自ら障害というアイデンティティを徹底してつくりあげていくことを意味することになる。ソヌとヒョノが一瞬でも軟骨無形成症を損害だと考え、いまもそうした考えを捨てられずにいるとしたら、彼らは自分の信心をやり直し続け、日々、障害を受容していこうと努めていると語ることができる。

※1 軟骨無形成症は、低身長症の一種である。短い腕や脚、出っ張った臀()()などを特徴とする。アメリカのドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』に出演する俳優のピーター・ディンクレイジも軟骨無形成症である。水頭症など、合併症もあるという。

 

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