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「志望動機が弱い」と言われるのは何故? 自己分析の質が変わる2つの準備

新井翔太(NINJAPAN(株) 代表取締役社長、Abuild就活創設者)

2023年02月23日 公開 2024年12月16日 更新

「志望動機が弱い」と言われるのは何故? 自己分析の質が変わる2つの準備

就職活動において必ず求められる自己PR。志望企業に自身の良さや長所をアピールするためには、個性や独自性など自分の強みを知り、言語化してPRする力が求められます。

とはいえ、どのようにして自分の強みを見つければいいのでしょうか?

就活を学問のように体系化したAbuild就活を展開しているNINJAPAN(株)の代表取締役・新井翔太氏は、自己PRを考える前に「自己発掘」「自己決定」のフェーズでしっかり下準備することが大切だといいます。

※本稿は、新井翔太著「最強の就活フレームワークABUILD」(PHPエディターズ・グループ)から、一部抜粋・編集したものです。

 

自分自身を見つめ直す重要性

選考準備を行う際には戦術が必要です。自己分析や志望動機を適切な方法論をもとに掘り下げていく中で、あなたの個性や独自性といった価値を見出していきます。

では、実際にどのように選考準備をしていけばよいのでしょうか。本質的に就活の選考を突き詰めれば、「自己PR」と「志望動機」の2つに収斂します。

極論、「自己PR」と「志望動機」を準備することができさえすれば、内定は獲得できるのです。そして選考において必要とされるあらゆるものは、この2つの精度を上げるための過程だとも言い換えられます。

就活はまず自己分析から、とはよく聞くことでしょう。自己分析をやらなければと分かっていても、どういう考え方で行えばいいか不明瞭な人が多いと思います。

自己分析という言葉だけが独り歩きし、何だか無駄な就活儀式のように感じられる人もいるかもしれません。ですが、自分自身がどんな人間であるかを知ることは就活にとどまらず、キャリア、そして人生を考えていく上でとても重要なのです。

自分自身を深く知らないままではうまく自己PRができず、志望動機も浅いものになり、内定から遠ざかります。また運良く内定を獲ったとしても、就職先とのミスマッチングを起こし、心身ともに疲弊してしまう可能性が高まります。

自分自身を深く知ることで、やりたいことの方向性が決まり、企業選びでイメージがしやすくなり、業務レベルでも、やっていて苦にならないことや楽しいことを見つけられるのです。

自己分析は、就活以外でも社会人として生きる上でも役立ちます。やりたいプロジェクト等を明確化させられますし、転職においても自分自身を見つめ直すことから始めるからです。

自己分析を行うことによって、自身の過去、現在、未来を再構築していき、人生を切り拓いていく機会としてほしいと思っています。

 

自己発掘で「過去の意味」を棚卸し

「人生で最も大切なものは?」という問いに対して、私は子どもの頃から変わらぬ回答をしています。

それは「思考の経験」です。ただの経験では意味が薄く、経験を昇華し思考として蓄積すること。実体験をしていなくても脳内で思索を巡らし深めること。そしてその思考を錆びない金庫に保管しておくように、いつでも取り出せるようにしておくことが重要だと考えています。

思考の経験とは、過去にどれだけの思考経験を積んできたかであり、ここで"自己発掘"が肝になってきます。

自己発掘とは、自分自身の過去を思い出し、どのような思考や行動をしてきたか棚卸しをしていくことです。

管理会計における在庫の棚卸しを連想してみてください。在庫は流動資産項目です。人には誰しも過去という資産があるものです。

過去は再解釈することによって、新たに意味を生成できるものです。辛かったことを何か現在のバネに繫げることができれば、マイナスの過去はプラスの意味に転じさせることができ、過去という資産価値を高められるのです。

「自分は〇〇な人間だ」と簡単に固定化してはなりません。既に人間性は決まっている、という考え方を捨てることから始めてください。人間は様々な環境や事象に影響され変化し、流動的に形成されるものだからです。

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