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キャリア構築サービス社長が「無意味な就活マナーも従う方が得」だと語る理由

新井翔太(NINJAPAN(株) 代表取締役社長、Abuild就活創設者)

2023年03月03日 公開

 

楽しそうに就活をする人を目指す

就活に対してネガティブな印象を抱いている人も多いと思います。就活をやらなければならない、いわば通過儀礼であり、企業に審査されなければならない、楽しくないものだと思っていないでしょうか?

就活は楽しいものです。普段接点のない企業の方々に会えるチャンスでもあり、他者からの評価によって、伸ばすべきところ、至らないところも含めて今まで知らなかった自分と出会える機会になります。就活をやればやるほど世界が広がっていきます。

自分を広げるため、将来の幸せな人生のために就活に取り組む、と感じられたら幸せだと思いませんか?

楽しそうに就活をする学生と、就活をやらされている学生、企業はどちらを採用したいでしょうか?

就活を楽しめず、義務感と焦燥感に襲われてこなす人は、入社後の仕事に対してもきっと不安そうに仕事をするのだろうと企業に想像されてしまいます。

しかし就活を楽しんでいる人は、入社後の仕事に対しても高いモチベーションで取り組み、次々と昇格し大きな仕事を任されていくと企業から想像されやすいでしょう。

面接官としては、結婚相手を探す行為に近いのが採用です。一度採用したら企業はなかなか解雇という措置が取れなくなります。

そんな相手を探すとき、目が輝いている学生と不安そうな学生を見て、あなたが面接官だったらどちらを採用したいと思うでしょうか?

就活は学力テストではなく、詰まるところ人間関係なのです。基準を満たせばよいのではなく、仕事をする相手と場所をお互いに選んでいくものです。

 

就活が楽しくなる「3つのC」

せっかく時間もお金も労力もかけてやる就活なので、楽しまないと損です。思うような結果が出ずに、悩むこともあると思いますが、それでも楽しむ気持ちを忘れないでほしいと思います。

3Cのフレームワークになぞらえて、3つの楽しむ観点をお伝えしましょう。3CとはCustomer、Competitor、Companyの頭文字を取ったもので、顧客、競合、自社の3つを使って企業分析をするフレームワークです。

ただし、就活生においては、顧客に当たるのが企業、競合に当たるのがライバルの就活生、自社に当たるのが自分自身として考えていきます。

(1)企業

就活は贅沢な社会科見学の機会です。あなたが知っている企業は何社ありますか?

日本には個人企業も含めると約400万社あります。100社知っていたとしても、たった0.0025%にすぎません。必ず自分のポテンシャルを発揮できる環境があるはずなのです。

今まで触れたことのないような業界や企業の内情を知ることができるチャンスが転がっています。もしかしたらまだ見ぬ企業で将来自分が活躍して、事を為しているかもしれません。未知の可能性に出会えるかもしれません。

就活において企業は、就活生に向けてわざわざ分かりやすく会社の説明をしてくれます。こんな機会は就活以外にありません。インターンシップなどでは企業の中で職場体験ができることもあります。

企業との接する機会を通して、社会が近くなります。世の中ではどういう風に経済が回っているのかが分かり、身の回りの何気なく使っているものや、その背後の経済の流れが身近に感じられるようになります。

製品・サービスを受け取るだけの消費者という立場から、製品・サービスを提供する社会の一員としての構成者視点にシフトできるのです。考えたら楽しくなりませんか?

(2)ライバルの就活生

たとえばグループ面接で他の就活生が話すエピソードに劣等感を覚えたり、焦ったりする人がいることでしょう。でも、周りの就活生を見て、「この人、面白い経験をしているな」「変わった考え方をしているな」とライバルであることを抜きに楽しんでみてください。

就活のグループ面接では短時間で他人のエッセンスに触れることができます。エピソードの切り取り方や考え方にも、その人の人間性が顕現します。面白いですよ。

グループワークではチームの人間と争う意識ではなく、一緒にプロジェクトを進める仲間として仲良くなるように、と考えてみてください。生涯にわたって友人になる人と出会えるかもしれません。

実際私も、就活時代に出会い、繫がり続けている友人たちがいます。互いの家を行き来したり、旅行に行ったり、飲みに行ったりする仲間がいることは人生にとってもかけがえのないことです。

(3)自分自身

就活は一種の通過儀礼です。大人になって社会の一員として認められるためのイニシエーションの側面が強くあります。

多くの就活生は就活を機会に大きく成長します。なぜなら、自己分析を通じて己と向き合い、自分はどんな人間で、自分が何を為したいのか、何に充実感を覚えるのか、どう生きたいのか、と否応なく人生について問いかける機会になるからです。

学生生活の総括として己を再定義する期間なのです。たとえば、自己PRではテクニックとしてある程度の型があります。しかし、それは必ずしもあなた自身を型にはめるものではありません。

就活における間違った自己分析は、自身を小さく固めてしまう類のものです。しかし本来は、自己を拡張させ視野を広げ、視座を高め自己革新を活性化させることに価値があるのです。

就活を通じて、新たな自分に出会える。一皮剝けて成長できる。そういう自分を観察できれば、これほど楽しいことはありません。

 

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