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喫煙者は早死になのか? 60代で「続けて良いこと・やめるべきこと」

和田秀樹(精神科医)

2023年12月05日 公開

 

無理な禁煙は免疫機能を低下させる

「QOL」という言葉をご存じですか? Quality Of Lifeの頭文字を取ったもので、日本語に訳すと「生活の質」です。

高齢期のQOLは、単に長生きすれば高くなるわけではありません。快適さ、楽しさ、充実感といったものを感じながら生きることが大切です。タバコは健康によくないことがわかっていますが、タバコ好きな人が無理をして禁煙すると、QOLが著しく下がります。

さらに、タバコを吸いたいのに吸えないと、かなり大きなストレスがかかります。ストレスには免疫機能を下げる作用があり、がんの発生因子にもなります。長生きのために節制したつもりが、逆に寿命を縮めることもあり得るのです。

 

お酒を飲むなら誰かと一緒に

お酒も同様で、好きなら、やめる必要はないでしょう。私もワインが好きなので、心の潤いになるのはとてもよくわかります。ストレス解消のもっとも身近な方法でもありますから、適量を守りつつ楽しむのがいいでしょう。

問題は、適量を守れないときです。お酒には、依存症の危険があります。酒量が増えやすいのは、一人で飲んでいるときです。そばに誰もいないとブレーキが利かず、いつしか酒量が増えていきます。ですから、飲むならばなるべく誰かと一緒に飲むこと。できれば、家の外で飲むほうがいいでしょう。

楽しく話しながら飲めば、ストレス解消効果も倍増します。誘う相手がいないときも、お店のマスターと話すなど、コミュニケーションとセットでたしなむのがいいでしょう。

 

著者紹介

和田秀樹(わだ・ひでき)

精神科医

1960年、大阪市生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、立命館大学生命科学部特任教授、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック(アンチエイジングとエグゼクティブカウンセリングに特化したクリニック)院長。著書に、『医学部にとにかく受かるための「要領」がわかる本』(PHP研究所)、『老いの品格』『頭がいい人、悪い人の健康法』(以上、PHP新書)、『50歳からの「脳のトリセツ」』(PHPビジネス新書)、『感情的にならない本』『[新版]「がまん」するから老化する』(以上、PHP文庫)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『自分は自分 人は人』(知的生きかた文庫)など多数。

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