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江戸時代の健康書『養生訓』が説いた、現代にも通じる「薬」との付き合い方

貝原益軒(著),奥田昌子(編集)

2023年12月26日 公開 2023年12月26日 更新

江戸時代の健康書『養生訓』が説いた、現代にも通じる「薬」との付き合い方

『養生訓』は、江戸時代前期から中期に差しかかる1713(正徳3)年に出版されて以来、日本で最も広く、最も長く読み継がれてきた健康書の古典です。

著者の貝原益軒は死去する前年においても体力気力ともに充実し、自ら筆を執って『養生訓』8巻を書き上げ、83歳で見事に天寿をまっとうしました。その姿は、生涯をかけて追求した養生の道が正しかったことを雄弁に物語っています。

『養生訓』のなかで語られている、病気になった場合の養生方法を、予防医学の第一人者で内科医の奥田昌子氏が編訳してお伝えします。

※本稿は貝原 益軒 (著)・ 奥田 昌子 (編集)『病気にならない体をつくる 超訳 養生訓』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を一部抜粋・編集したものです。

 

元気なときに病気について考えよ

病気になってしまうと、薬を飲み、治療を受けても簡単には治らず、必ず治るという保証もない。

健康で体調がよいうちから病気の苦しさを想像し、身を慎み、ひたすら養生すべきだ。病気について考えないようにするのではなく、むしろ考えることで病気を避けられる。

 

病気になったら、悩むより養生に打ち込め

病気になったら養生の道を固く守ることだけを考えたい。くよくよと思い悩んで体力や気力をすり減らせば、病気は悪くなる一方だ。重い病気だとしても、気長に養生すれば意外に回復するものである。

不安になるのはわかるが、身が細るほど心配しても何の得にもならない。気を取り直し、用心して過ごすほうがはるかに有益だ。

 

病気は治りかけが肝心である

病気が回復に向かい始めたら、なお慎重に養生するがよい。そうすれば病気は速やかに治って再発しない。

世の中には、病気が治りかけると嬉しくなって油断する人が多いが、病気がぶり返してから、「しまった」と思っても後の祭りである。

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養生せずに薬を飲んで治そうとするのは愚策だ

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