1. PHPオンライン
  2. くらし
  3. 小6男児が下山中に行方不明に...専門家が教える「遭難事故を防ぐ準備」

くらし

小6男児が下山中に行方不明に...専門家が教える「遭難事故を防ぐ準備」

羽根田治(長野県山岳遭難防止アドバイザー)

2023年12月14日 公開 2024年01月25日 更新

小6男児が下山中に行方不明に...専門家が教える「遭難事故を防ぐ準備」

ハイキングや登山などでなじみのある山ですが、ちょっとした不注意で思わぬケガや事故につながることも。命を守るために大切なことを、長野県山岳遭難防止アドバイザーの羽根田治さんに教えてもらいました。
(取材・構成・文:クリエイティブ・スイート)

※本稿は、月刊誌『PHPくらしラク~る♪』2024年1月号より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

体力的・技術的に問題なく登れる山を選ぶ

歩くだけなので、誰でも簡単にできるように思われがちですが、登山は体に大きな負荷がかかる、非常にハードなレジャー、スポーツです。しかも、人間の管理が行き届いていない自然のなかを舞台とするので、さまざまなリスクが存在しています。そのことを認識したうえで、上手にリスクを回避しながら登山を楽しみましょう。

山での事故やアクシデントを回避するためにいちばん重要なのは、自分の実力に合った山を選ぶこと。まずは難易度の低い初心者向けの山にいくつか登り、自分の体力や技術力を確かめましょう。

それを基準に、ガイドブックなどを見ながら山を選びます。自治体によっては、管轄内の山の難易度を、統一基準によって定めた「山のグレーディング」を一覧表で公開しているところもあるので、山選びの参考にしましょう。

 

無理のない計画を立て、必要な装備を揃える

登る山が決まったら、山とコースに関する情報を収集し、無理のない計画を立てていきます。インターネット上にある、「山行記録(登った山の記録)」は、情報として有用ですが、主観混じりのものも多いので過信は禁物です。

登山に必要な装備は、登る山や季節によって違ってきます。登山に必要な機能が備わったものを、登山用具専門店で揃えることをお勧めします。

また、登山は体力があればあるほど有利です。体力があればバテにくくなりますし、登りたい山をステップアップさせていくことも可能です。心肺機能を高めるトレーニングを、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。

次のページ
実際に起きた遭難事故のケース

関連記事

アクセスランキングRanking

前のスライド 次のスライド
×