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損している気分が「満足感」にかわる“自己中心心理学”



2012年08月01日 公開

石原加受子(オールイズワン代表、心理カウンセラー)

『「どうして私ばっかり」と思ったとき読む本』より》
(イラスト:石村紗貴子)

「損する」意識は、自分をダブルに苦しめる

 「自分中心」と「他者中心」の違いは、“意識”の違いです。

 文字で解釈してしまうと、言いたいことはなんとなくわかるけれども、「じゃあ、どこが違うのだろうか」と思ってしまうかもしれません。
 けれども、“意識”に焦点を当てると、まったく正反対なのがわかります。
 自分中心は、自分を基準にしています。
 他者中心は、相手を基準にしています。
 例えば、あなたは今、疲れています。
 誰かが、
 「これを、やってよ」
 とあなたに言いました。
 他者中心のあなたは、
 「どうして、やらなくちゃ、いけないんだよ!!」
 と、感情的になりました。
 このときあなたの中には、「疲れている自分」と「感情的になっている自分」がいます。ところがあなたは、相手に囚われていたり、相手の“言葉”に囚われているために、自分を“感じていません”。相手に気を奪われているゆえに、あなたは、疲れている自分を“無視して”しまっています。
 あなたはどうして、感情的になってしまったのでしょうか。
 それはあなたが相手を基準にして、相手の言葉や態度に反応したからです。

 もしこのとき、あなたが自分中心になって、自分のほうに意識を向けて“自分を感じて”いたら事情は異なっていたでしょう。
 あなたは相手の言葉よりも、自分の「疲れていること」に焦点が当たって、「私は疲れているのだ」ということを実感できていたでしょう。
 さらにあなたが自分中心になって、「疲れている自分」を優先するとしたら、疲れている自分を「労 〈いたわ〉 ろう」と思うに違いありません。

*自分中心の「すごく楽な感覚」を実感しよう

 あなたは、自分が感情的になってしまうのは、相手が自分を“感情的にさせた”からと思っているかもしれません。けれどもほんとうは、あなた自身が「疲れている自分」を優先できないから、感情的になっているのです。それを、
 「僕が忙しいのは、見てわかるだろう」
 などと、相手に察するように要求してしまいがちです。
 あなたは自分を無視するために、疲れている自分に気づくことができません。さらにあなたは、他者に気を取られているので自分を労ることすらできない上に、相手に向かって感情的になるというふうに、“二重の負担”を自分にかけているのです。
 もしこのとき、あなたが自分を労ることもなしに、
 「わかったよッ。やればいいんだろう」
 とムキになって相手のために動いてしまうと、「自分ばっかり」と思ったり、「損する。損した」気分になっていくでしょう。

 他方、自分中心のあなたは、自分を見ています。自分が疲れているのを“感じる”ことができます。
 自分中心であるために、あなたは“疲れている自分”を気持ちよく優先できます。だから、
 「今、疲れてるんだ」
 こう言うことができるでしょう。さらに、
 「3時間ほど、休んでから話を聞くよ」
 などと具体的に言えるのは、日頃から自分を大事にして、自分の状態を把握しているからです。この、すごくシンプルで楽な感覚が実感できるでしょうか。
 他者中心の人はいつも、どれだけ自分を無視したり、自分に負担をかけていることか。自分中心と他者中心の、この“意識”の違い、“実感”の違いを、感覚で知って、自分中心の感覚を自分の中にインプットしてください。

 

「えこ贔屓されている人」のほうが実は損している!?

 職場で、
 「あの人は、上司からえこ贔屓されているので、妬ましくてなりません」
 という女性がいました。
 「同じことをしても、彼女ほはめられるのに、私は無視される」
 そう思うと、どうしても、
 「あの人ばかり得してる」
 という気持ちになってしまいます。
 えこ贔屓されている女性は、彼女よりも年下です。
 話を聞くと、彼女も新入社員の頃は、贔屓されている彼女のような扱いを受けていたようです。それが年下の女性に移ってしまったので、よけいに嫉妬してしまうのでしょう。
 「贔屓されている人は得して、私は損している」
 他者中心の彼女には、こんなふうにしか映りません。
 そこで彼女にこんな質問を投げかけてみました。
 「新入社員の頃、あなたも彼女のように贔屓されていたそうですが、そのときはどんな気持ちでしたか」
 「そりゃあ、嬉しかったですよ」
 彼女は、まだ、質問の意図を理解していないようでした。

*ほめられることは、いいことばかりではない

 例えばあなたが、近所で買い物をしたとき、お店の人から「美しいね」とほめられました。
 あなたは毎日、そのお店の前を通ります。そのお店の人はいつも、あなたを見ているかもしれません。
 あなたは、どんな気持ちで、そのお店の前を通りますか。
 今日あなたは、「お化粧するのが面倒臭い」と思いました。ボサボサの髪とすっぴんで、そのお店に行くことができますか。

 違った場面を考えてみましょう。
 

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