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会話は結論から...夫婦のコミュニケーションが自然に改善する4つの方法

河村陽子(夫婦問題カウンセラー)

2024年08月08日 公開

会話は結論から...夫婦のコミュニケーションが自然に改善する4つの方法

結婚生活において最も大切な行為と言っても過言ではない「話し合い」。話を聞こうとしない夫、つい感情的になる妻の構図のままでは、いずれ関係は破綻に向かっていくかもしれません。

では、どのようにすればお互いに建設的な話し合いができるようになるのでしょうか。12年で9000件以上のお悩みに答えてきた夫婦問題カウンセラーの河村陽子さんが解説します。

※本稿は、河村陽子著『うちの夫を「神夫」に変える方法』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

 

話を聞く態勢になる「結論ファースト」法

たいていの男性は仕事と自分のことで精いっぱいで、ほかのことが見えていません。夫の関心を家族に向けたければ、まず夫に話を聞く態勢になってもらわなければなりませんが、そもそもダメ夫は妻の話を聞かないものです。

では、どうするか。夫と会話するときは「結論から」話すようにしてください。

女性は説明しながら話す傾向があるので長話になりやすく、男性は「結局、何が言いたいんだ?」とイラつきます。夫に相談したいとき、私がまず言うのは、「ねぇ、どう思う?」です。

唐突ですが、相談なのでこれが結論なんです。夫は反射的に「何が?」と聞いてくるので、スムーズに本題にシフトできます。

結論の次は相談の詳細と、自分はこうしたいという意見を言って、夫の意向を聞きます。「子どもの入学金と親戚の結婚披露宴と車検で、同時期に出費がかさんでお金が足りないの。定期預金は崩したくないし、お義母さんにちょっとだけお金を借りられたらなと思うんだけど、お義母さん、イヤな気持ちになるかなぁ。どうしたらいいと思う?」

自分の意見を言わずに、「子どもの入学ですごくお金かかるし、この前の披露宴は遠方だったからご祝儀とあわせて結構かかったし、車検だってホント高いし......」などとウダウダ言うと、夫は延々と愚痴をこぼされている気分になり、「何が言いたいんだ、コイツは!」と機嫌が悪くなります。

勢いで、「何でそうなったのか理由を説明しろよ!」などと怒り出したりもするので、最終的な決断は夫にゆだねるとしても、あなたの意見は必ず言うようにしましょう。

結論→詳細(または理由)→ 意見→「あなたはどう思う?」

この話し方なら、夫はあなたの話をきちんと聞く耳を持つはずです。

 

「5W1H」で夫の話を盛り立てる

人は自分の話をすると、話した相手に好意を抱きます。夫が不倫に陥るのも、相手の女性が一生懸命に話を聞いてくれたことがきっかけになる場合が多いんですよ!ぜひとも夫が話をしたくなる妻になりましょう。

「そうはいっても夫との会話は弾まなくて」と嘆くあなた。楽しい会話のコツはイイ感じの合いの手、つまり適切な質問です。

何を聞いていいかわからないなら、「5W1H」に当てはめて質問してみてください。「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」です。

たとえば、「阪神が勝って、めっちゃうれしい!」と夫が言ったら、「昨日の試合で?」「球場どこだった?」とか、「誰が一番活躍したの?」「どういう場面で?」「勝率どのくらい?」など、5W1Hに当てはめると、質問が次から次へとわいてくるんですね。自分の好きなことを話す夫はゴキゲン。会話はどんどんつながっていきます。

 

人は想像できないと心が動かない

夫が家庭を顧みなかったある冬のことでした。家族でスキーに行けたら家族の思い出になるなと思い、夫に話してみることにしました。

ただ「スキーに行こうよ」と言っても夫は動かないと予想した私は、ストーリー性満点に、脳内に映像が広がるように話したんです。

まずは「家族でスキーに行こうと思ってるんだけど」と結論から始めます。次に理由を。

「都会に住んでたら、子どもって一面の銀世界を見ることないじゃない?」

ここで夫の脳内に雪景色が浮かびます。もう少し押しましょう。

「私、九州の生まれで、高校の修学旅行で志賀高原に行って、雪山見てすっごく感動した
んだよね。あの感動を娘にも味わわせたいと思ってるんだ〜」

娘の気持ちを思い浮かべ、夫が乗り気になってきたのがわかります。

雪景色の素晴らしさに喜ぶ娘を想像させたところで、別方向からの想像をさせます。「私、ボーゲンしかできないから、私一人であの子連れて行ったら大ケガさせちゃうかも。パパにも行ってもらって、スノボも教えてもらえたら、あの子すごく喜ぶと思うんだよね」と。

夫はケガをした娘を想像し、「俺が行かなきゃいけないな」と思ってくれたようです。

最後に質問をします。

「あなた、どう思う? 私一人で行けると思う?」

「何月ぐらいなら行けそうかな?」

夫はその場でスケジュールを確認してくれて、具体的なプランを立てることができました。コツは、「あなたがいないとダメ」ということを、夫の頭の中に映像を浮かばせながら伝えることです。あらかじめ具体的に想像できていれば夫も納得ずくで動けるので、後から不満が出ることもありません。

 

夫婦の会話を支配する

夫との会話のイニシアチブを握るには、常に質問する側に徹することも効果的です。

質問をする人とされる人では、質問する人がパワーバランスを握るからです。夫婦関係をあなたが望むように修復したかったら、会話のパワーバランスを常に握っておかないと、現状ダメな状態の夫が今後の夫婦関係まで支配してしまうんですよ。

加えて、会話の最後は必ずあなたの言葉で締めてください。

会話の最後に言われたことは相手の頭の中に残ります。だから会話全体を支配するのは最後のセリフを言った人になるんです。ケンカしたとき、捨てゼリフを残して去る人がいますが、あれは自分が優位に立つための行動なんですね。

たとえば、あなたが「おやすみ」と言って夫が「おやすみ」と応えたら、普通はそこで会話終了ですが、「寒いから、ちゃんとお布団かけてね」でも「いい夢見てね」でもいいので、とにかく最後はあなたの言葉で終わるようにしてください。

理想的なかたちは、会話の最後にあなたが質問し、あなたの言葉で会話を終わらせること。質問に夫が答えてくれれば、「そうなのね、ありがとう」と応えます。

質問されると脳はおのずとその答えを探します。夫の脳内であなたの質問がエンドレスにリピートされ、どう答えるかを想像させることになるので、会話のパワーバランスはあなたが握ったことになります。言葉の選び方、会話の仕方で夫の想像を促し、夫婦の会話を先導していきましょう。

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