「いい人と思われたい」「自分の意見が言えない」...そんなあなたは"お人好しさん"かも? お人好しさんが苦手とする「相手の頼みごとや誘いを断ること」。どうしても気が乗らないとき、どのように対処したらいいのでしょうか? 書籍『つい他人を優先してしまう お人好しさんのためのじょうずな断り方』よりご紹介します。
※本稿は、時田ひさ子著『つい他人を優先してしまう お人好しさんのためのじょうずな断り方』(PHP研究所)を一部抜粋・編集したものです。
あなたはなぜ断るのが苦手なのか
お人好しさんたちは、「断りたい」「今日こそは断ろう」と意気込んでも、優しいが故に「申し訳ない」「相手に嫌われるかも」「自分が我慢すればいいんだ」と考えてしまって、断るのを諦めてしまいます。「断りたい」という自分の本心よりも、相手に嫌な思いをさせないことを優先してしまうのです。
つまり、お人好しさんたちは断ることで、相手の顔色が曇ってしまうことをとても恐れているのだと思います。
他の人にとってはなんてことない些細なできごとにも、お人好しさんたちは「ウッ」とショックを受けやすいという特徴があります。
ショックで心が痛むと、同時に、体自体にも痛手を受けます。それは、相当な苦痛です。ですから、常日頃から傷つかないように工夫しています。
その傷つかない工夫の一つが、「断らない」なのです。断らなければ、相手の顔色を曇らせることはないので、自分も傷つかずに済む、というメリットがあります。
そしてもしショックを受けたとしても、自分がショックを受けたことを、周囲の人たちから隠そうとしますし、自分自身にも、傷ついたことを気づかせないように隠そうとするのです。
前述したように、お人好しさんたちはショックを受けやすいという特徴がありますから、ショックを受けるたびにこれを繰り返します。
そうすると、「なんかよくわからないけど、気持ちが滅入る」とか「自分で自分が何を感じているのか、よくわからない。探ってみたいけど、よくわからないから、まあいいか」と身に覚えのない不安やモヤモヤを対処せず、そのまま蓄積されていきます。あなたにも、理由はわからないけどなんだかモヤモヤ・イライラする、という経験があるのではないでしょうか。
それは、あなたの心がショックからあなたを守ろうとしている証なのです。
このようにして、「自分にも痛みを感じさせなくする方法」を長い年月をかけて徐々に編み出して、癖として定着させていきます。
「断りたい」「今日こそは断ろう」と思っても、優しすぎるが故に「断ってはいけない」と、判断してしまうのは、この長年にわたって蓄積された、自分が痛手を受けないための抑え込む癖が関係しているのです。
合理的な人付き合いの仕方
相手の頼みごとや誘いを断ると、相手は驚いたり、嫌な顔をしたりします。
その表情を見ると、お人好しさんたちは、なぜか少し傷つきます。
そしてそんなダメージを受けるくらいなら、断るのをやめる。そんな回路が確立している、と考えていただけると、間違ってはいないと思います。逆に、断った時の相手の表情の変化に傷つかない人たちもいて、そうした人たちはどんどん断れます。
断った相手が「え......」と固まろうが、眉をしかめようが、おろおろと動揺しようが、その態度や表情が自分へのダメージになることが少ないからです。
だから、「ダメージにならないから、自分がやりたくないと思ったことはやらずに、その場で断ったほうがいい」と、とても合理的な判断ができます。
つまり、断れる人と断れない人の違いは、「断られた時の相手の表情に動揺しやすいかどうか」によると私は考えます。
実は、「断る」はお人好しさんの味方
「断る」と一口に言っても、強く言い放つ断り方はお人好しさんたちには向いていませんし、得策でもありません。
だから、何気ないやり取りの中に、断り言葉をそっと紛れ込ませるのです。それが、みなさんに一番向いている「じょうずな断り方」です。この断り方ができれば、「断る」ことは、優しすぎるみなさんの人付き合いを、ぐーんと楽なものに変えるお助けアイテムになってくれるでしょう。
また他にも、じょうずに断ることによって、嫌な人からのマウント攻撃を防ぐこともできます。
あなたのその優しさにつけ込んで、変にマウントを取ってくる嫌な人に遭遇したことはありませんか?
そういう嫌な人たちは、無作為にいろんな人たちにマウントを取っているわけではありません。少し嫌な感じを出してみて、それでもニコニコうんうん頷いて受け入れてくれる人たちにだけしてくるんです。
だから、「あ、ちょっと嫌なマウントの取られ方をされたな」と気づいたら、頼みごとや会話を「断る」といいでしょう。そうすると、マウントを取られたり、舐められたり、バカにされたりすることが、徐々に減っていくでしょう。
相手に「断れる人だ」と気づかせることが、自分を守ることにもつながるのです。







