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生き方

専門家が教える「簡単に自己肯定感が上がる」毎日の習慣

永谷研一(行動科学専門家)

2025年04月03日 公開

専門家が教える「簡単に自己肯定感が上がる」毎日の習慣

ありのままの自分を受け入れるためには「自己肯定感」を高めることが必要です。行動科学専門家の永谷研一さんは「毎日、具体的な『できたこと』に着目する」ことが大切だと語ります。本稿では、書籍『1日5分 書けば明日が変わる できたことノート』より、マイナスの感情との向き合い方についてご紹介します。

※本稿は、永谷研一著『1日5分 書けば明日が変わる できたことノート』(クロスメディア・パブリッシング)を一部抜粋・編集したものです。

 

心のフタを開けるには「自己肯定感」が必要

人はうまく生きるために、感情をしまい込み、「私はこうあらねばならない」と思い込んでしまうことが多々あります。そうして「純粋な心」の上にフタをして過ごしているのです。

この「思い込みによる心のフタ」は誰もが持っています。「純粋な心」に気づかず、「自分はこういう人間だ」という思い込みの姿を表に出して、私たちは毎日を送っているのです。

人は家庭生活や社会生活を通じて、さまざまな役割を持っています。家ではやさしいお母さんであったり、会社では頼れるリーダーであったり、その役割に応じて性格があります。

これは、心理学では「ペルソナ(役割性格、表面的な人格)」と呼ばれ、自分の思考にも影響を及ぼします。皮肉なことに、この「役割をまっとうしようとすること」によって、心のフタをつくり出してしまうのです。

もちろんペルソナがあることは、一概に悪いことばかりではありません。会社では「頼れるリーダー」として、問題にぶつかったときも逃げることがない責任感の強い上司。週末は「やさしいお母さん」として、子どもと遊んであげる陽気なママになる。「私はこういう人」という思い込みがあるからこそ、そのキャラクターを演じて生きていける面もあります。

ただ問題なのは、その思い込みによるフタが思考停止に陥る原因になってしまうことです。深く考えず、本音に触れず、とりつくろってしまう。すると周りにいい顔をする「作文」のような思考になってしまうのです。

キーになるのは、「どうすれば、このフタを開けることができるか」ということ。フタが開けば、その下にある純粋な心にアクセスすることができますから、自分と本音の会話ができるようになります。

実は、このフタを開ける方法があるのです。

それは「自己肯定感が高い状態をつくる」こと。自己肯定感が高い状態とは、「自分は大切な存在であり、価値ある人間だ」と自分で自分を認めている状態のことをいいます。

自己肯定感を高めると、欠点も含めて、ありのままの自分を受け入れることができます。そして心のフタを開けることができるようになります。要するに、自分に対してやさしく正直になれる、ということです。

フタを開けて、自分の本当の気持ちに対して上手にアクセスできるようになると、何か行動を起こすときに、万が一うまくいかなかった場合のリスクなども含めて客観的に受け止めることができるので、「失敗しても、絶対に挽回できる」「万が一、傷つくことがあっても、なんとかなる」と前向きに考えることができるようになります。

たとえば、仕事の壁にぶつかったとき「この仕事は失敗できないぞ。嫌だな」と考えているうちは苦痛でしかありません。しかし「この仕事がうまくいくと、こんないいことがある」と考えるとワクワクしてきて、困難にも立ち向かう勇気が湧いてくるのです。

「人の行動を変える」ことを専門にしている私が、自己肯定感にこだわる理由はここにあります。自己肯定感が高い人というのは「行動できる人」だからです。行動が変わらなければ、何も始まらないのです。

 

「できたこと」に着目しよう

自分の成長を阻んでいる「思い込みによるフタ」を開けるためには、自分を肯定的に見ている状態が必要だ、ということはわかっていただけたと思います。

次に考えなくてはいけないのは、「どうすれば、自己肯定感が高い状態をつくれるか」ということです。この状態は、実は誰でも簡単につくることができます。そのためにするとよいのは、

「毎日、具体的な『できたこと』に着目する」ということです。

言い訳は、「できなかったこと」を見ているので「ダメな自分を見つめる思考」だと言ってもいいでしょう。うまくできたことに関して、普通は言い訳したりしないですからね。

そこで、着目するものを「できなかったこと」から「できたこと」に変える。最初の段階から、言い訳思考にはまらないために、「とっかかり」を変えるのです。

「反省しない」「言い訳しない」というと、これは精神論になってしまいます。でも、「できたこと」だけ見るようにすれば、最初から反省も言い訳も必要がなくなります。

「そんなにできたことなんてないよ」と言われるかもしれませんが、小さな「できたこと」であれば、1日の中で1つや2つ、必ず見つけることができます。

「できたこと」を見るということは、小さな成功体験を確認するということ。そうなると、毎日が何かしら「うまくいったことの積み重ね」であることを実感できます。「実は成功体験をずっとしてきた」ということに気づき、「なかなか自分もやるじゃないか」ということを自分に思い込ませることができるのです。

このように、「できたこと」に着目するクセをつけると、セルフイメージがどんどん上がっていきます。

 

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