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フィードバックすると黙って不満を露わに...“指導しても響かない部下”への対処法3選

中原淳(立教大学経営学部教授)

2025年08月28日 公開

フィードバックすると黙って不満を露わに...“指導しても響かない部下”への対処法3選

フィードバックとは「部下やメンバーに成果を出してもらうために、上司やリーダーの視点から相手の行動を客観的に伝え、ともに改善を図る手法」のことです。立教大学教授の中原淳さんは、人材育成においてフィードバックが重要だと説きます。

ときにメンバーにとって耳の痛いことを伝えなければいけないため、素直に聞けずにキレたり言い訳をする人も出てきます。中原さんの著書『増補改訂版 フィードバック入門』から、フィードバックのシチュエーション別にどのように対処すべきか書かれた一節をご紹介します。

※本稿は、中原淳著『増補改訂版 フィードバック入門』(PHP研究所)より内容を一部抜粋・編集したものです

 

何を言っても黙り込む「お地蔵さん」タイプ

◎変にフォローすると刺さらなくなる。こちらも負けじと黙り込む

人によっては、キレると沈黙する人もいます。「君はどう思う?」と話を振っても、黙ることで不満を表すタイプです。

「怒ってるのかな?」「このままじゃ人間関係がやばいんじゃないか?」......。その沈黙に耐えられなくなり、褒めるなどのフォローを入れる人がいますが、これこそ相手の思うツボ。相手に有利な展開にされてしまい、フィードバックを聞き入れてもらえなくなります。

もし相手が沈黙してきたら、こちらも黙って待つのが正解であることが多いものです。くどいようですが、「1時間でも2時間でも待つ」という覚悟を持ちましょう。そうしてこちらの本気度を示せば、相手が根負けして口を開いてくれるものです。

そこまで待っている時間の余裕がない場合は、思いきって日を改めてしまいましょう。相手が「Uncoachable」な状態になっている可能性があります。時間と場所を改めて、新たな気持ちで相手に向き合いましょう。

 

何でも他人のせいにする「傍観者」タイプ

◎「傍観者に見えるよ」とそのまま指摘する

「やり方を教わっていなかった」
「○○さんに、こうやれと言われたから」
「ルールがないから」

などと、何を言っても、他人のせいにする人がいます。

このタイプの人は、「自分にも責任がある」ということを自覚させないと、いつまで経っても変わりません。正確に言えば、うすうす自分にも責任があるということはわかっているけれども、それを認めたくなくて、逃げ回っていると言えます。だから、逃げ場をなくすことが重要です。

たとえば、このように返すことも一計です。

「これはうちの職場で起こったので、みんなが問題に向き合うことが求められているのです。あなたも、その一人です。あなたも『傍観者』ではなく、当事者として問題に向き合ってください。さっきのあなたの発言は『傍観者』のものに聞こえます」こう言えば、相手は「はい、傍観者ですから」とは言えません。

さらに、「もし仮にこの事態を引き起こしている原因が、自分にもあるとしたら、それは何?あなたにできることは何一つなかったの?」「あなたも職場のメンバーなら、何で貢献できるの?何を返してくれるの?」

と言えば、当事者として問題と向き合わざるを得なくなります。この質問によって、「こうしたことができた」という発言を引き出せればOKです。あとは、それをしているかどうかを「1on1」でチェックすれば、成長に結びつけることができます。

 

どれだけお膳立てしても挑戦しない「ノーリスク」タイプ

◎「挑戦しなくてもいいけど、現状維持はできないよ。このままだとこうなるよ」と伝える

管理職や新しいプロジェクトの責任者など、責任のある仕事に抜擢しようとすると、かたくなに拒否する部下がいます。出世欲もないし、今のままの状況でも十分幸せだから、そんな仕事はしたくないというわけです。

また「制作の現場が好きだから」「営業の現場が好きだから」と言って、このままの状況でいたがる人もいます。

しかし、これらは単に挑戦したくない言い訳に過ぎないことが大部分です。こういう部下を奮起させるにはどうしたらよいでしょうか。

その一つの方法は、「このままの仕事を続けても、現状維持できるわけではない。さらには、このままだと君のキャリアはこうなるよ」と将来の見通しを伝えることです。

新しい仕事を避けようとするのは、今のままでも、自分の地位が安泰だと思っているからです。しかし、そんなことはあり得ません。自分では「年を取っても今の仕事が務まる」と思っていても、周囲からはそう思われなくなっていくことが多いからです。

たとえば、営業などの仕事によっては、取引先から見ると、業務知識の豊富なベテランよりも、知識は少ないがフットワークが軽い、若い人が求められることがあります。また、取引先担当者が若ければ、年齢の近い人のほうがやりやすいと考えるものです。

挑戦を嫌がる部下には、そのことをはっきりと認識してもらうことが大切です。しかも、このままの状態でいた場合の「今後の見通し」をはっきりと伝えましょう。その上で、現在の自分といかにギャップがあるのかを認識してもらうのです。

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