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写真に写る自分に違和感...「他人からの見え方」と向き合うための自撮り術

YUTA.(ヘアメイクアップアーティスト)

2025年06月13日 公開

写真に写る自分に違和感...「他人からの見え方」と向き合うための自撮り術

いつも鏡で見ている自分と、写真に写った自分が違う...不意に撮られた写真の自らの不機嫌そうな表情に驚いた経験がある人も少なくないはず。

ヘアメイクアップアーティストとして活躍するYUTA.さんは著書『今の自分に合うメイクの正解』で、メイクと美容で人生は変わると語ります。同書から、鏡の前だけではなく「人から見える自分」と向き合う方法について綴られた一節を紹介します。

※本稿は、YUTA.著『今の自分に合うメイクの正解』(日本実業出版社)より内容を一部抜粋・編集したものです

 

「いつも鏡で見ている自分」と「人から見える自分」は違う

「なにこれ? これが私!?(思っていたより変)」

友だちから送られてくる写真を見て、こんなふうに思ったことはありませんか?そして、何気なく映り込む自分の姿に違和感を覚え、そっと写真を削除したことは?

また、写真映りということでいえば、「写真だときつい人だと思われるようなので、写真映えするメイクが知りたいんです」と相談されることもよくあります。

鏡で見た自分と、写真に映った自分。どちらも同じ自分なのに、何かが違う。実際に、「いつも鏡で見ている自分」と「他人から見られている自分」には大きな違いがあるのです。

その違いを単刀直入にいうと、いつも鏡で見ている自分は左右が反転しているからです。

「メイクがうまくできない」という人は、鏡で左右反転した自分しか見ていないので、どんなメイクに仕上がっていて、人からどんなふうに見えているかがわかっていないのです。

「今の自分の顔」と真剣に向き合う。これまで自分の顔にコンプレックスがあっても見ぬふりをして何十年もすごしてきた人ほど、自分を見ないクセがついています。

私たちは日常で表情筋を意識せず、無意識の表情ですごしています。しかし、年齢を重ねた肌には、たるみやゆるみが生じ、それが少し不機嫌そうな印象を生むこともあります。たとえ本人がそう感じていなくても、周囲にはその印象が伝わっているかもしれません。

だからこそ、鏡の前だけでなく、自撮りを通して「素の自分」を知っておくことが大切なのです。自撮りをして、素の自分がどんな顔か、自分がどう見られているかを知ることで、「自分が思っている自分」とのギャップに気づき、改善への一歩が踏み出せます。

「今の自分の顔」を見つめるようになると、鏡で見る自分の顔と人から見られる顔が一致するようになります。まずはスマホのカメラを起動して、一度「自撮り」をしてみましょう。

YUTA.
正面で1枚、そのままの位置で目を軽く閉じて1枚、左右の横顔の写真の合計4枚を撮影します
※スマホで反転させて撮影した写真によって、人から見た自分の印象を確認できます
(イラスト:harumi)

1.スマホで「自撮り」をして今の状態を知る

ふつうに自撮りをすると左右が反転してしまうので、カメラの設定を次のように変えます。「設定」→「カメラ」→「前面カメラを左右反転」をオフにします(iPhoneの場合。Android スマホの場合をはじめ、機種によって、この操作が異なります。

そのときにはアウトカメラと同じになるように設定してください。自撮りをした写真が最終的に「鏡で見ている自分と反転=人から見た自分」になっていればOKです)。これで撮影すると人から見た状態と同じになります。正面の顔(目が開いた状態と閉じた状態)と、カメラに対して肩を水平にしたときの左右の横顔の計4枚の写真を撮影します。

2.撮影するときには、リラックスして、肩の力を抜いて

お尻の穴をキュッと締め、おヘソを引き上げ、背骨を長くのばすイメージで、肩と顔の力を抜き、舌を上あごにベターッとつけ、頬を軽く引き上げて、パシャ。「自撮り」のメソッドに気がつくことができたのは、Instagram の投稿を通して、自分自身で学んだことが大きいです。

SNSでは見ず知らずの方からのいろいろな言葉をいただくことがあります。プラスのこと、反対にそうではないこともふくめて、自分では気づいていない視点を持った人からの言葉はとても新鮮です。

この視点を自分でも持てるようになるべく、自撮りをすることで客観的に自分をとらえることができるようになることが大切です。

 

「ありのままの自分」を見て、どう感じましたか?

スマホで自撮りをした自分の顔を見て、どう思いましたか?

「いつも通りの自分」と思いましたか、それとも少し驚きましたか?

もしかしたら、「思っていた以上に年を感じる......」と、少しショックを受けた方もいるかもしれません。疲れた感じの表情に、心が沈んでしまった方もいるのではないでしょうか。

思うような自分になれなくて、自分を好きになれず、もがき苦しみながらの日々。鏡を見て、やるせないせつなさが込み上げた、あの瞬間。

あのときの感情は、今も真空パックに保存されたように胸の奥にあるまま。そのなんともいえない気持ちを抱え続けた結果、本当は何か変わりたい、変えたいのに、立ちすくんでしまう。

そして、自分のことなのに、いつの間にか、どうしていいかよくわからなくなっている。

しかし、どうかがっかりしないでください。今、自分を見つめたことは、あなたにとって大切な一歩だからです。

「思っていた自分と違う」。その違和感に気づくことは、「自分と向き合う覚悟」を決めたからこそ覚える感覚です。今の自分を受け入れ、現実を知ること。それはメイクにおいても美容においても、ものすごく大事なんです。

たとえば、美容院で髪をカットした自分を鏡で見ると、「なんか、いいかも」と自然と自信が湧いてきますよね。

いつもとは違う整った自分に気持ちが上がり、鏡を何度も見る。その反対に、疲れたときや落ち込んでいるとき、なんか野暮ったいと感じているときは鏡を見たくなかったりします。

同じ鏡を見る動作でも、こうも心の中は違います。

自撮りをして、今の自分を見つめる。それは自分を受け入れることであり、未来の輝く自分と出会うためのスタートでもあるのです。

自撮りをした写真を、時間をかけてじっくり見つめてみてください。

最初は少しつらい気持ちやいろいろな思いが込み上げてくるかもしれませんが、ただ写真を「見る」ことに集中します。何も考えず、ただ自分を受けとめる。

余裕が出てきたら、少し画像を拡大してみてください。おでこや、頬、眉や口もとを1つずつ見つめて、最後にまた全体に戻してみる。

そして、あらためて自分を見つめたことで、これまで逃げてきたり、どこかあと回しにしてきたりした自分を知ることができた。ずっと頑張り続けて本当はしんどかった自分がいたことに気づくことができた。そんな自分をほめてあげてくださいね。

著者紹介

YUTA.(ゆた)

ヘアメイクアップアーティスト

1974年大阪府生まれ。美容師としてデビュー後、テレビ大阪「スーパー美容師変身バトル」にレギュラー出演。2000年美容業界誌『ヘアモード』の年間グランプリを受賞し、SHISEIDO SABFAでノウハウや技術を磨く。その後、TVCMや『Sweet』『VERY』などのファッション誌、CDジャケット撮影などで活躍。女優やモデルをはじめ、延べ2万人以上のヘアメイクを担当。2018年には「CLEARシャンプー」のWeb版CMに出演し話題に。第一線で活躍し続けて30年、オリジナルブランド「Neuf358」の立ち上げ、コスメの商品開発アドバイザー、美容セミナー講師としても活動の幅を広げる。Instagramでは多くの共感を集め、寄せられるメッセージをきっかけに一般向けのオンライン講座を開講。1人ひとりの魅力を引き出し、メイクによって人生を好転させる「YUTA.式シャレ顔メソッド」を伝えている。

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