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仕事に明け暮れ、コレステロールが30代で警告ゾーンに! 人生を変えたヨガとの出会い

B-Flow(ヨガYouTuber)

2025年11月14日 公開

仕事に明け暮れ、コレステロールが30代で警告ゾーンに! 人生を変えたヨガとの出会い

ヨガYouTuberとして、日本一のチャンネル登録者数を誇るB-Flow。インストラクターのマリコさんと、企画・撮影・編集を担当するトモヤさんのご夫婦が二人三脚で営むチャンネルです。トモヤさんは、もともと外資系企業の経理財務部門に勤めていたそう。二人はどこで出会い、トモヤさんはなぜヨガの世界に入り込んでいったのでしょうか。

※本稿は、B-Flow著『今この瞬間をどう生きるか 日本一のヨガYouTuber夫婦が歩んできた道、そしてこれから』(KADOKAWA)より一部抜粋・編集したものです。

 

マリコとの出会いは、「あなたの脂肪、買います!」キャンペーン

私がヨガに出会ったのは、27歳のとき。
ワーキング・ホリデーを利用してカナダのトロントに留学していた頃でした。
現地のコミュニティカレッジで、ビジネスや英語を学ぶ日々。そんなある日、街中で「ヨガ教室」の貼り紙を見かけ、なんとなく惹かれて、一人で体験レッスンに参加してみたのです。

ヨガといえば、ゆったりとした動きや瞑想のイメージがあったのですが、私が体験したのは「パワーヨガ」。予想以上にハードな内容で、驚きました。
運動には慣れていたつもりでしたが、ヨガでは「休憩のポーズ」とされるダウンドッグ(四つんばいになってからお尻を高く持ち上げるポーズ)でさえ、途中でギブアップしたくなるほどきつかった。

ところが、最後に行ったシャバーサナ(仰向けの状態で寝転がる安らぎのポーズ)では、体も心もスーッと軽くなるような感覚に包まれて......まるでマッサージやサウナの後みたいに、心身の軸が整ったような、これまで感じたことのない心地良さに衝撃を受けたのです。

それからは友人を誘って、ヨガ教室に通うようになりました。ただ、本格的にヨガの道に進む......というほどの余裕はなく、とにかく仕事を探さないといけない時期。帰国して就職活動を始めることになりました。

当時は「就職氷河期」と呼ばれる厳しい時代でしたが、英語力と資格を活かして、外資系ファッションブランドの経理財務部門に採用されました。29歳のときでした。

私の仕事は「ファイナンシャルアナリスト」。数字を分析し、英語でレポートを作成する仕事です。分析とは、簡単にいえば「数字の裏にある物語を読み解くこと」。数字の変化には必ず理由があって、人の動きや行動がそこに表れているのです。
この会社では、「質の高いものを丁寧に作れば、必ず繰り返し選ばれる」という姿勢を学びました。

その後は、エンターテインメント系の企業に転職し、「徹底的にお客様の満足を追求する」ということを学びました。こうして培った経験は、今の動画制作に確実に活きています。

そうして仕事に忙しく走り続けた30代。
運動不足が続いていた私は、健康診断でコレステロール値が真っ赤な警告ゾーンに。
「さすがにこれはまずい」と、2014年の年明けに、意を決して会社近くのジムに入会しました。

そのジムで出会ったのが「バレトン」というエクササイズです。
ちょうど「あなたの脂肪、買います!」というユニークなキャンペーンをやっていて、なんとなく参加したレッスンがきっかけで、私はすっかりバレトンにハマってしまいました。

そのレッスンのインストラクターが、マリコだったのです。

それが、私とマリコの馴れ初めです。
まさかその出会いがきっかけで、数年後に一緒にYouTubeで動画を作るようになるなんて。
人生、本当に何が起こるかわからないものです。

 

ヨガに惹かれたのは「天風哲学」に興味があったから

私がカナダで「ヨガ教室」の貼り紙に目を留めたのは、日本にヨガを広めた中村天風さんの本を読んでいたからです。
といっても、ヨガに興味があって読んでいたわけではありません。松下幸之助さんや稲盛和夫さんなど、一流の経営者に大きな影響を与えた「天風哲学」に興味があって、ビジネス書として読んでいたのです。
最近では、メジャーリーグの大谷翔平選手が読んでいたことで話題になりましたから、名前を知っている方も多いかもしれません。

中村天風さんは明治生まれ。日露戦争後、肺結核で体が弱ってしまったとき、自分を立て直そうと欧米を巡り、インドでヨガの聖人に弟子入り。
結核を治して悟りを得た思想家であり、実業家です。

「天風哲学」で印象に残っているのは、「心の思いが、人生を創る」という教え。
つまり、心のあり方が人生を作るのだから、心をポジティブにしていれば、やがて人生は開ける、という考え方です。

その「天風哲学」とヨガがどうつながっているのか?そんな興味もあって参加したヨガのレッスンでしたが、実際はとてもハード。

汗だくになり、腕はしびれて、別のことを考える余裕など全くありませんでした。
初心者にとってヨガのポーズを取るのは難しく、呼吸と動きを合わせないと、すぐにバランスを崩してしまいます。でも、それこそがヨガの目的のひとつ。余計なことを考えてしまう心を制御するために、さまざまなポーズがあるというわけです。

しばらくすると、呼吸と動きを連動させる感覚が身に付くようになっていきます。そうすると、だんだんヨガが楽しく感じられるようになりました。さらに練習を重ねて深い呼吸ができるようになると、座っていても瞑想していても余計なことを考えなくなり、心が穏やかになるのを感じました。

「ヨガで体調が改善した」「不安な心の病気が治った」と聞くことがありますが、それはきっと、呼吸による効果が大きいのだと思います。

人は、一日に2万〜2万5000回も呼吸をしているそうです。一回一回の呼吸の質が上がれば、体全体の働きも変わってくるのは当然ですよね。
ストレスや疲労が溜まると呼吸は浅くなりますし、口呼吸の人は鼻呼吸の人よりも酸素交換率が低いのだとか。

私ももともと口呼吸でしたが、医療用テープで口を閉じて寝ることと、ヨガで深い呼吸を続けることで、花粉症の時期以外は自然に鼻呼吸ができるようになりました。深く呼吸できるようになると、本当に体調が変わります。

そして、深い呼吸をしながら「今この瞬間を生きること」だけを考えていくと、自分が執着しているもの、自分を縛っているものなどが見えてきます。それらを手放していくことで、本当の自分が見えてくるというのが、ヨガの第一ステップです。

流れる(フロー)ように呼吸と動きを連動させていくフローヨガでは、子どもの頃に何かに夢中になっていたときのように、ポジティブに「没頭する感覚」を味わうことができます。
大人になると、「没頭する」「夢中になる」ことを忘れがちですが、そうした感覚を思い起こして、磨いていけるところも、ヨガの魅力だと思っています。

「流れを止めていたのは、こだわっている自分の心だった」
「変えられないなら受け入れる。変えられるなら動いてみる」
「『できない理由』探しより、『できる方法』を探す」

こんな天風語録も、ヨガを続けていると、頭ではなく体で実感できます。ビジネス書として天風哲学を読んでいる人たちにも、ぜひヨガを知ってほしいと思っています。

プロフィール

B-Flow(びーふろー)

ヨガYouTuber

夫のクリエイティブディレクター・Tomoya、妻のヨガインストラクター・Marikoの夫婦が運営するYouTubeチャンネル。2016年、ヨガとウェルネスに特化したYouTubeチャンネル「B-life」を開設し、チャンネル登録者数は9年間で250万人を突破。2024年、チャンネル名を「B-Flow」に改名。完全オリジナルのプログラムを提供するYouTubeは、多くの視聴者から支持を得ている。著作に、『魔法のヨガ』(実業之日本社)、『魔法の寝落ちヨガ』(小学館)などがある。

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