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感じがいい人の聞き方・話し方 NGなあいづちの〈たちつてと〉とは

吉井奈々(一般社団法人JCMA代表理事、コミュニケーション講師)

2026年07月14日 公開

感じがいい人の聞き方・話し方 NGなあいづちの〈たちつてと〉とは

感じのいい人は、決して特別な才能を持っているわけではありません。誰も見ていない場所での気遣い、その場に合った声の大きさ、そして相手が安心して話せる聞き方――。そんな日常のさりげない振る舞いの積み重ねが、自然と「品のある人」という印象をつくります。小さな心配りは、相手への思いやりであると同時に、自分自身を磨く習慣でもあります。

本稿では、一般社団法人JCMA代表理事でコミュニケーション講師の吉井奈々氏に、人間関係をより心地よくするために、感じのいい人が実践している3つの習慣を紹介していただきます。(イラスト:松本麻希)

※本稿は、吉井奈々著『なぜか、また会いたくなる 感じのいい人の心がけ帳』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

見えないところも整える

席を立つとき、次に使う人を思ってそっとテーブルを整える。コピー機の紙が少なければ、気づいたときに補充しておく。誰も見ていない場所での1秒の気遣いに、その人の品のよさはあらわれます。
気づかれなくていい、評価されなくてもいい。そんなやさしさは静かに巡ります。そっと手渡した思いやりが、また他の誰かへとつながっていくのです。

古くから日本には「お天道様は見ている」という言葉があります。誰も見ていなくても、天は見ている。だからこそ、人に知られなくても、静かに善い行いを重ねていく。その積み重ねを「陰徳(いんとく)」と呼びます。

こんな陰徳も素敵です
・会議室を出るとき、使った椅子を整えて戻す
・手を洗った後、周りに飛んだ水滴をさっと拭く
・トイレットペーパーを使い切る前に、新しいものを補充する
・倒れている傘を、そっと立て直す

こうした行いを重ねることで、「自分は、見えないところでも丁寧にふるまえる人だ」と、静かな自信が育っていきます。誰かの評価に振り回されなくていい。自分なりの美しさを確実に積み重ねていく。
すると、やがてあなたの佇まいに「隠しきれない気品」があらわれ、言葉にしなくても伝わる「品」になっていきます。

--♪お天道様と自分だけの「内緒のいいこと」。自分を大好きになれる、一番ぜいたくな習慣です♪--

 

"声の大きさ"を選んでいる

声の大きさを選んでいる

同じ言葉でも、声の大きさ1つで受け取る印象は大きく変わります。
静かな場所での大きな声は、相手を驚かせ、場の空気を乱してしまう。逆に広い場所での小さな声は、「何を言っているのか聞き取れない」という不安を与えてしまう。その場に合った音量を選べる人は、自然と相手と空間の両方に目を向けています。

「今、ここにいる人が気持ちよくいられるか」その意識が、自然と声にもあらわれる。
それはマナーというより、相手を大切に思う気持ちです。

心地よいボリューム表
●小:電車やカフェでは隣の人にだけ届く音量で
●中:相手が聞き取りやすい音量で、やさしくはっきりと
●大:会議やプレゼンは一番奥まで届く「輪郭のある声」で

--♪声のボリュームをポチッと切り替える!それは、相手への「おもてなし」です♪--

 

聞き方がやわらかい

相手を追い詰めるのではなく、理解しようとする。
その姿勢は、聞き方に自然とあらわれます。
NGなあいづちは「たちつてと」。

た「だから?」、ち「ちょっと待って?」、つ「つまり何?」、て「で?」、と「どういうこと?」。
こうした言葉は相手の話をさえぎり、心を閉じさせてしまうことがあります。

感じのいい人は、こう聞きます。
「どうしてそう思ったの?」「もう少し聞かせてくれる?」。そのひとことで、相手は「否定されていない」と感じ、本音がふっとこぼれてくるのです。

「つまり何?」と急かすのではなく「もう少し聞かせて」と心にゆとりを持ってみる。相手の感情の奥にそっと目を向けて、言葉を探す時間を静かに待つことも、聞き上手な人の思いやりです。

--♪「たちつてと」は会話のブレーキ。まずは「そうなんだね」って全部受け止めてあげるのがコツですよ♪--

プロフィール

吉井奈々(よしい・なな)

一般社団法人JCMA代表理事、コミュニケーション講師

企業や教育機関でコミュニケーション講師として活躍。15年間にわたって約7万人に「心を大事にするコミュニケーション」を伝えている。40歳から改めて大学に進学し、心理と教育を専攻。その後進んだ大学院では社会学を専攻し、仏教学や哲学についても研鑽を積む。
出生時に割りあてられた性別は男性だったが、性別適合手術を受けて戸籍を女性に変更し、現在は男性と結婚。アメリカに渡り、心理療法の権威リチャード・バンドラー博士から直接教えを請い、心のしくみを“言葉”で紐解く癒やしと変容の技術を修得。現在はメンタルケアとコミュニケーションの専門家として、全国で講演・企業研修・指導を行なっている。
日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車、日本アイ・ビー・エム、ANAなど多くの省庁や企業で講演や研修を担当。また、東京大学や早稲田大学をはじめとする多くの大学で講師を務め、全国200校以上の中学校や高校でも、生徒向けの講演、教員向けの研修、PTA向けの講演を行なっている。NHK・Eテレの教育番組や日本テレビ系列の人生相談番組で、3年間レギュラー出演するなど、メディア出演も多い。

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