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- 「今、とても幸せ」直木賞受賞の朝倉かすみさん、憧れの舞台で明かした素直な胸の内
2026年8月21日、第175回芥川龍之介賞・直木三十五賞の贈呈式が都内で開催されました。直木三十五賞を受賞したのは、朝倉かすみさんの『けんぐゎい』(光文社)。贈呈式では、選考委員を代表して桐野夏生さんが選評を述べ、朝倉さんが受賞の喜びと周囲への感謝を語りました。
桐野夏生さん「最後に『けんぐゎい』に出会えて、本当に幸運」

選考委員を代表して登壇した桐野夏生さんは、優れた作品の背後には、作家の才能や筆力だけでなく、周到な準備があると述べました。
『けんぐゎい』は、自由に書かれたような迫力とパワーに満ちている一方、タイトルや作中で使われる言葉、登場人物の造形にも、朝倉さんが蓄えてきた知識が生かされていると述べ、それによって「自由で奔放ながらも、重厚な物語」が生まれたと評価しました。
また、朝倉さんが長年にわたって古文書を学び、江戸時代の刑事事件に関する記録などを読み込んできたことにも言及しました。
朝倉さんが参照した江戸時代の判例には、女性の仕事や女性として生きることを嫌い、男装して各地を遊び歩いた末に窃盗事件を起こした人物が記録されていたといいます。
桐野さんは、当時にも性別によって定められた生き方を嫌う人がいたことに「むしろ安心しました」と述べ、「人間というのは、そんなにいつも変わらないものだと思います」と語りました。
時代を徹底して調べ、そこに生きる人間を真摯に描くことで、現代にも通じる普遍性が生まれると説明。本作について「ファンタジックな作品ではありません。地に足が着いています」と評しました。
選評の最後には、「『けんぐゎい』は周到な準備のもとに自由に書かれた傑作です」と改めて評価。今回をもって直木賞の選考委員を退任する桐野さんは、「最後に『けんぐゎい』のような作品に出会えて、本当に幸運だと思いました」と言葉を結びました。
朝倉かすみさん「今、とても幸せです」
左から朝倉かすみさん、小砂川チトさん
続いて登壇した朝倉かすみさんは、芥川龍之介賞を受賞した小砂川チトさんのスピーチに触れ、「私が言いたいことは、さっきチトさんが言ったこととほとんど同じです」と話し、会場の笑いを誘いました。
朝倉さんにとって、直木賞は「遠い憧れ」だったといいます。いつしか自分ではない誰かが受賞するものだと考えるようになっていたため、受賞が決まってからも「ずっと、なんとなく驚いています」と率直な心境を明かしました。
直木賞の大きさや重みについては、まだ実感が湧いていないとしながらも、受賞が自分にとって「とてもいいこと」であるのは分かると話しました。
その喜びは、作品を出版するために朝倉さんと組んできた人たちや、これまで作品を読み続けてきた読者にとっても、今回の受賞は「きっとすごくいいこと」だと語りました。
そして、「何を言いたいかというと、今、とても幸せです」と現在の思いを表し、周囲への感謝とともにスピーチを締めくくりました。








