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中年太りに効く「歩く」習慣 1日何分以上歩けばいい?【医学博士が解説】

大島清(京都大学名誉教授,医学博士)

2026年09月07日 公開

中年太りに効く「歩く」習慣 1日何分以上歩けばいい?【医学博士が解説】

体脂肪を落とすために、日々の食事から無理に脂肪を減らそうとしたり、激しい運動をしていませんか。実は、早足でのウォーキングを取り入れることが、体に蓄積された余分な脂肪を効率よく燃やす近道となるかもしれません。効果的に脂肪を燃焼させるメカニズムについて、大島清氏の書籍『歩くとなぜいいか』より紹介します。

※本稿は、大島清著『歩くとなぜいいか』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

歩くと、脂肪がよく燃えてやせられる

脂肪が目の敵にされている。中年過ぎの肥満の原因はすべて脂肪の摂りすぎにあるかのような解説書を目にすることもある。

いかにも偏った見方で、脂肪さえ摂らなければ、後は何をしてもいいという誤解を生じかねない。もちろん脂肪の摂りすぎはよくない。だが極端な話、脂肪さえ摂らなければ一日中家でごろごろしていても健康に過ごせるかというと、そんなことはない。

バランスのとれた食事を楽しんで摂ろうとすれば、ある程度の脂肪摂取はやむを得ないことだ。むしろ余分な脂肪は燃やしてしまうという方法を考えた方がいい。

これに歩くことが大きく作用する。ただこの場合、漫然と歩くのではなく、ほんの少しだけ早足で、さっさっさっと歩くようにする。ウォーキングだ。時間もできれば30分以上は歩きたい。

こうして歩くと、歩くことがエアロビクスになる。エアロビクスとは、体に酸素を取り込みながら運動することで、「有酸素運動」と訳されている。

この有酸素運動が、蓄積された余分な脂肪を燃やしてくれる。無理なく体に酸素を取り入れながら歩き続けるとき、そのエネルギー源として筋肉に蓄えられたグリコーゲンと体脂肪として蓄えられている脂肪が使われているのだ。

歩けば歩くほど、体の脂肪は減っていく。

 

無酸素運動と有酸素運動をうまく組み合わせる

ではもっとハードに、100メートルを全力疾走すれば体脂肪はもっと減るかというと、そうはならない。このような運動をアネロビクス(無酸素運動)というが、ここで利用されるエネルギー源は主に筋肉に蓄えられたグリコーゲンだけで、脂肪はほとんど使われない。

全力疾走しても体脂肪は減らないのだ。

ただ、こうした無酸素運動は筋肉を鍛え、筋肉の衰えを防ぐ上では効果がある。基礎代謝の低下を防ぐためには、無酸素運動も取り入れ、筋肉の量を減らさないようにすることも大切だ。

しかし、いくら筋肉を維持するためとはいえ、30歳を過ぎてからの100メートル全力疾走は勧められない。ジムなどで機械を使って筋力トレーニングするとか、スイミングで25メートルを全力で泳ぎ切るとかが効果的かもしれない。

ウォーキングの前に筋肉を曲げ伸ばしする準備運動を十分に行うだけでも、ある程度筋肉維持の効果はある。

無酸素運動と有酸素運動をうまく組み合わせて運動を続けていれば、若々しい筋肉を保つことができるはずだ。

 

プロフィール

大島清 (おおしま・きよし)

京都大学名誉教授

医学博士。1927年、広島県生まれ。東京大学医学部卒業後、ワシントン州立大学に留学。京都大学霊長類研究所を定年退官後、愛知工業大学教授を歴任。 著書に『人生は定年からが面白い』『脳が若返る遊歩学』『定年後に若がえる生き方』『歩く人はなぜ「脳年齢」が若いか?』『犬と歩けば脳にいい! 』『快活脳の育て方』『なぜか「肝っ玉が太い人」の共通点』『好かれる老人嫌われる老人』など多数。2023年没。

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